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ドキ★ワク先端科学

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~読売新聞寄稿連載「ドキ★ワク先端科学」から~

第16回:物質創成科学研究科 廣田俊教授 [2014年12月16日]

「ミクロの世界の工作」

岡田実教授

 

スマートフォンやパソコンでのデータ通信のイメージ図。純正律の原理を使い、建物に反射してもデータを正確に読み取れる
  • タンパク質は本来、左のようにひも状だが、ブロックに見立てるとわかりやすい。パーツの一部を他のパーツにくっつけて、環状や鎖状など様々な形を作れる

11月4日の当欄でも紹介されたタンパク質は、私たちの体の中にあり、生命に不可欠です。それは、アミノ酸と呼ばれる物質が鎖のようにつながってできていて、図のようにらせんを巻いていることが多いのです。この形が少し変わるだけで働きも変わってくるため、人工的に形を変化させて、新たな機能を持つタンパク質を作り出す研究が世界中で行われています。

それが、「タンパク質デザイン」と呼ばれる分野です。タンパク質の一つ一つの形を変えたり、他のタンパク質とくっつけたりすることで、例えば、燃料電池に使われる水素を効率的に分解したり、太陽光エネルギーを別のエネルギーに変換したりと、私たちの生活に役立つ巧妙な機能を身につけさせるのです。

皆さんは小さい時、ブロック遊びをしたことがあるでしょう。ただつなげただけの簡単な形から、城やロボットなど複雑な構造物まで、様々な作品が作れますね。まだ複雑なものはできませんが、こういった工作はミクロの世界でもできるようになってきています。

1センチの100万分の1以下のミクロの世界でも、タンパク質はブロックのパーツのように互いにくっついていることがあります。くっついていない場合には少し細工し、ブロックを組み立てるように新型たんぱく質を作製しているのです。

図の右側を見てください。四角いパーツを一つのタンパク質と考えます。下のように、パーツの丸い部分を他のパーツのものと交換して輪のような環状にしたり、鎖状に長くつなげたりすることができます。

そうすると、呼吸に関係するタンパク質の場合、性質がすっかり変わってしまいます。元々、電子を運ぶ役割だったのが、物質を変換する機能に変わります。また、血液中で酸素を運ぶ機能を持つタンパク質と電子の運び屋のタンパク質をつなげ、2種類の機能を合体することもできます。

ただ、このようにタンパク質をブロックのように組み合わせる研究は始まったばかりです。将来、皆さんがミクロの世界に挑み、生命現象のカギになる物質を組み立てることを期待しています。

 


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