このページの先頭です。

ページ内を移動するためのリンクです。



| 受験生の皆様へ | 一般市民の皆様へ | 企業・研究者の皆様へ | 留学生の皆様へ | 修了生の皆様へ |


ここからメインメニューです。
ここからメインコンテンツです。

ドキ★ワク先端科学

 教育研究紹介 TOP |

~読売新聞寄稿連載「ドキ★ワク先端科学」から~

第4回:物質創成科学研究科 柳久雄教授 [2014年6月13日]

「ボール形量子 波状プレー」

柳久雄教授

 

木材の断面を顕微鏡で見ると、道管や線維細胞を包むように二次細胞壁が並ぶ様子が確認できる晶
  • 「C60」でサッカーをした場合のイメージ図。波のように漂って、両方のゴールをすり抜けてしまう

サッカーW杯ブラジル大会がいよいよ開幕ですね。競技の基本的なルールは簡単で、球をゴールに蹴り入れて得点を競う。球がゴールネットを揺らせば1点、キーパーに取られるかゴールの枠を外せば無得点です。

物質を形作っているものが原子だということは皆さんご存じだと思います。大きさはナノ(10億分の1)メートル以下と本当に小さなものです。この原子そのものや、原子が集まってできる分子、原子の中にある電子などを総称して「量子」と言います。私の研究室では、この量子の性質について研究しています。

実は、量子の世界にも、サッカーボールによく似た形の分子があります。60個の炭素原子が球状に結合したもので、「C60」とか「フラーレン」と呼ばれています。原子同士を線でつなぐと、五角形と六角形でできたサッカーボールと同じ形をしていますが、その大きさは直径が0.7ナノメートルるほどで、髪の毛の太さの10万分の1ぐらいです。

量子でサッカーを始めましょう。ゴールライン上に2つのゴール。これらに向かって1個のC60を蹴ります。すると、量子の世界ではどちらのゴールにも同時にボールが通 過する、まか不思議なことが起こります。

それは、量子に波のように空間を漂う性質があるからです。バケツに水をはり、ボールを落としたら、波が起こりますよね。それと同じく、量子は波のように広がり、ゴール をすり抜けてしまうのですね。どうです、名うてのキーパーも取れないミラクルシュートでしょう。この現象は1924年にド・ブロイが予言し、実験でも確かめられました。

量子は、複数の情報を波のように重なり合わせて持つことができるため、うまく利用すれば、超大容量のデータを超高速で並列処理できる「量子コンピューター」を作れます。まだ研究は基本的なものですが、夢の技術に一歩でも近づこうと世界各国の研究者たちはしのぎを削っています。

 


ここからサブコンテンツです。

NAISTの活動

読み込み中です。
読み込み中です。


ここからフッターです。