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コラム
タイトル:ワーク、ライフ、アン、バランス
著者:バイオサイエンス研究科 動物遺伝子機能学  川市正史 教授

「ワークライフバランスについて書けと言われたんだけど。」
「内閣府のHPがあるから見てはどうでしょう。」
「見たよ。政府の無策を謝るHPかと思ったけど、人ごとみたいなことが書いてあるだけだよ。」
「そもそも、先生達は仕事と趣味の区別がないのでしょう?寄稿者としては最悪ですよ。」
「そんなことはない。賃金のためにいやいやする仕事もある。そうか!義務でやるのがワーク、好きでやるのがライフ!でもそれだと家族サービスは窮極のワークかなあ。」
「なんということを!」
「あのHPでは、家族友人たちとの時間、自己啓発や地域活動がライフなんだって。でも友人もみな研究者だし、自己啓発も研究の中だけで精一杯だよ。地域の自治会でかり出されるけど、賃金は出ないがどうみてもワークだよ、あれは。留学先の米国人の同僚は6時には帰っていたね。遅いと離婚されるんだって。帰る時はこれから仕事だという顔をしてたよ。」
「なんて人達でしょう!誰かが作ったご飯を食べ、誰かが洗濯した服を着て、誰かが掃除した家に住む限り頭の中が仕事だけでも困らないから、ワークライフバランスについて考えないんでしょう!」
 そうなのだ。こんな原稿を私に依頼する意図にはたと気がついた。それは自分が如何に恵まれた境遇にあるか、そしてそれは誰かの労力の上に成り立っていることを自覚すること。世の中には、一日を無事に終えるために常にワークライフバランスを考えなくてはいけない研究者も存在することを思い出すこと。

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