せんたん Jan.2013 Vol.21

せんたん Jan.2013 Vol.21 page 20/28

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TOPICS本学教員・学生の受賞バイオサイエンス研究科植物分子遺伝学研究室島本功教授が「平成24年度秋の紫綬褒章」を受章!2012年秋の褒章が発表され、バイオサイエンス研究科植物分子遺伝学研究室の島本功教授が紫綬....

TOPICS本学教員・学生の受賞バイオサイエンス研究科植物分子遺伝学研究室島本功教授が「平成24年度秋の紫綬褒章」を受章!2012年秋の褒章が発表され、バイオサイエンス研究科植物分子遺伝学研究室の島本功教授が紫綬褒章を受章しました。紫綬褒章は、毎年春と秋の2回発令され、学術、芸術、スポーツ分野において顕著な功績者に授与されます。島本教授はこれまで、世界で最も重要な作物の一つであるイネの分子遺伝学研究の第一人者として、世界をリードする研究を行ってきました。世界に先駆けて新しい分子生物学の方法を導入して、思い通りの時期に花を咲かせる植物のホルモン(花成ホルモン、フロリゲン)の発見など多くの優れた成果を挙げ、イネにおける分子生物学の創生とその発展に大きく寄与しました。こうした功績が認められ、これまで日本遺伝学会奨励賞(1991年)、日本育種学会賞(1993年)、木原記念財団学術賞(2000年)、文部科学大臣表彰科学技術賞(2011年)、科学技術への顕著な貢献2011(2011年)など数々の賞を受賞しています。(磯島貝本学功長教と授)(右)■受章についてのコメント今回の受章はひとえに大学のさまざまな研究支援、大学院生、研究補助員や教員の皆さんの努力の結果だと大変感謝しています。「花が咲くしくみ」の研究は、バイオサイエンス研究科創設時に赴任して以来のテーマで、20年研究を行ってきました。10年ほど前、短日植物と長日植物の日長による開花の違いを明らかにしました。その後は、開花に関連した遺伝子の働きを様々な実験方法を用いて解析し、2007年に当時大学院生だった玉置祥二郎君がイネのHd3a(FTとも呼ばれる)遺伝子の作る小さなタンパク質が「フロリゲン」の実体であることを明らかにしました。この研究成果は、1930年代に提唱されて以来、多くの植物学者の夢でもあったフロリゲンの発見として、大きな反響を呼びました。続いて2011年にはフロリゲン受容体を発見し、その解析を通じてフロリゲンの働きを明らかにしました。さらに興味深いことに、フロリゲンがジャガイモではイモを作ることもスペインの研究者との共同研究で発見しました。現在は、こうした研究を進め、「花が咲くしくみ」の解明に取り組んでいます。またフロリゲンを、農業やバイオエネルギー生産へと応用するための基礎研究にも取り組んでいます。今回の受章を励みとして一層研究に邁進したいと思っています。情報科学研究科インタラクティブメディア設計学研究室加藤博一教授がIEEE ISMAR2012にて「10 Year Lasting Impact Award」を受賞!2012年11月6日、情報科学研究科インタラクティブメディア設計学研究室の加藤博一教授が、The 11th IEEE InternationalSymposium on Mixed and Augmented Reality(ISMAR2012)において10 Year Lasting Impact Awardを受賞しました。■受賞研究テーマMarker Tracking and HMD Calibration for a Video-based Augmented Reality Conferencing System加藤博一教授■受賞研究の概要この賞は、拡張現実感や複合現実感の研究分野において過去に発表された論文の中から長期にわたって学術界・産業界にインパクトを与えた論文に対して授与されるものです。加藤教授らが99年に発表した上記論文は、拡張現実感のためのマーカを用いたトラッキング技術に関連したものであり、その技術を用いて作成されたARToolKitというソフトウェアライブラリは現在に至るまでデファクトスタンダードとして広く利用されてきました。2000年以降、拡張現実感に関する研究開発が盛んになる中、それら研究の下支えになったり、応用システムの構築に活用されたりと、この分野の発展に最も貢献した技術としてARToolKitが評価されました。■受賞についてのコメント本受賞の対象となった技術は、私が文部科学省の在外研究員として約1年間米国に滞在し研究する機会を与えられたことがきっかけで始めた研究から生まれたものです。このような機会を与えてくださった関係者の皆様に感謝いたします。また、若手の研究者には、是非とも武者修行のつもりで海外に出て自己研鑽することを勧めたいと思います。19 SENTAN