せんたんvol.21

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知の扉を開くバイオサイエンス研究科巧妙な品質管理システム生命を維持するために、さまざまな種類のタンパク質が体内の生理作用をコントロールしたり、体の構成成分になったり、主役として働いている。それぞれのタ....

知の扉を開くバイオサイエンス研究科巧妙な品質管理システム生命を維持するために、さまざまな種類のタンパク質が体内の生理作用をコントロールしたり、体の構成成分になったり、主役として働いている。それぞれのタンパク質の設計図は、すべて遺伝子に書き込まれていて、それに基づいて作られる。しかし、中には変形して機能を失うなど異常なものが混じるので、それを体内にある工場の品質管理のようなシステムでチェックし、再生したり、破壊したりする形で取り除く。異常なタンパク質が蓄積すると細胞の機能が正常に働かず病気になってしまうからだ。こうしたデリケートで巧妙なタンパク質の品質管理について、河野教授らは、膜タンパク質や分泌タンパク質をつくる細胞内の小器官「小胞体」に焦点をしぼり、研究を重ねてきた。そこでは、異常なタンパク質の蓄積により機能を妨げるストレスがかかると、その状態に応答して「分子シャペロン」という一群のタンパク質が誘導されて異常タンパク質が処理される。河野教授は、そのさいに異常タンパク質蓄積の情報を素早く感知しその情報を細胞内の「核」に伝える情報ネットワークが働き、シャペロンの遺伝子情報を効率良く「転写」誘導し、増産して体勢を整えるシステムについてこれまで研究してきた。河野教授は研究室のテーマについて「タンパク質の異常をどのような分子が感知して、その情報をどのようにして核に伝え、また細胞がどのように応答していくのか、というメカニズムを分子レベルで明らかにする基礎研究、もうひとつは、それらの応答が破綻したときに起こると考えられている病気、たとえば糖尿病や神経変性疾患などとの関連を調べることです」と説明する。河野憲二教授タンパク質の合成を一休み最近の大きな研究成果のひとつは、タンパ木俣行雄准教授細胞のストレスを除き、病を防ぐバイオサイエンス研究科動物細胞工学研究室河野憲二教授木俣行雄准教授09 SENTAN