せんたんvol.21

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NAISTOB・OGに聞く坪井祐太(つぼいゆうた)日本アイ・ビー・エム株式会社東京基礎研究所Profile : 2008年度博士後期課程修了(情報科学研究科自然言語処理学講座)IBM事業所入り口にてY . T s u b o i学んで欲しい仕....

NAISTOB・OGに聞く坪井祐太(つぼいゆうた)日本アイ・ビー・エム株式会社東京基礎研究所Profile : 2008年度博士後期課程修了(情報科学研究科自然言語処理学講座)IBM事業所入り口にてY . T s u b o i学んで欲しい仕事の仕方からも先生方の2 002年から、IBMの研究所でテキストマイニングの研究をしています。テキストマイニングとは文書データを活用する技術の総称です。お客様である企業が抱える課題を解決することがIBMの主なミッションで、お客様が持つ様々な文書データを活かす方法をこれまで研究してきました。扱ってきたデータは、コールセンターの会話ログ、営業報告書、開発仕様書、社内アンケート、電子カルテ、製品問題記録、会議資料など多岐に渡ります。これらの文書データを売上数や生産数など文書以外の情報と組み合わせてお客様の課題解決やお客様が気がついていないデータの活用方法の発見に取り組んでいます。機密性の高い文書がほとんどでしたので、これらの実データに直接触れた体験は宝物だと思っています。お客様の課題やデータの性質を理解することを通じて、業務知識も少しは身につきました。このような仕事の中で、お客様の課題に存在する共通の問題をうまく定式化し、自明でない解法が得られた時というのは研究者冥利につきます。また、一般化した問題に対する研究結果を国際会議に投稿したり、論文誌にまとめたりすることも研究員の重要な仕事です。これらの研究成果をまとめることで2009年にNAISTから博士号も頂きました。私から学生の方々へお伝えしたいことは、専門分野の知識を学ぶだけでなく、先生方の研究の仕方にも注目することです。仕事の上で心がけていることは挑戦すること・信頼されることですが、アカデミックな世界でもこの二つの重要性は同じでしょう。外資系の企業に在籍していると、定型的な仕事が人件費の安い国に移っていっている現実を実感します。これからの社会では、決められた仕事をこなすだけでなく、新しいことに挑戦し仕事を作り出していく人がますます求められています。また、責任感を持って信頼される仕事をすることも重要です。お客様や同僚との信頼関係があるからこそ面白い仕事にチャレンジできます。ただ、ときには断ることも信頼に繋がります。特に、技術的な困難を伝え期待のコントロールをすることは技術者にとって重要な仕事だと思っています。世界で活躍しているNAISTの研究者の方々は、常にチャレンジし続け、信頼できる研究結果を出し続けています。私自身も学生のときはあまり意識していなかったのですが、リスクを取って挑戦し続ける方々や世界的に信頼を寄せられる仕事をしている方々が多くいる環境は貴重です。在学中に先生方の仕事の仕方を間近で見ることができるチャンスを活かしてください。博士号取得時に社内Webページに掲載された写真SENTAN18