せんたん vol.21

せんたん vol.21 page 15/24

電子ブックを開く

このページは せんたん vol.21 の電子ブックに掲載されている15ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
2012 5~8情報科学研究科計算メカニズム学研究室加藤有己助教コンピューターを使い超高速で生体高分子構造の謎に迫る!~RNAの複雑な構造予測のための超高速・高精度ウェブツールを開発~遺伝子制御など新たな機能が....

2012 5~8情報科学研究科計算メカニズム学研究室加藤有己助教コンピューターを使い超高速で生体高分子構造の謎に迫る!~RNAの複雑な構造予測のための超高速・高精度ウェブツールを開発~遺伝子制御など新たな機能が注目されているRNA(リボ核酸)の研究には、コンピューターによる構造解析が不可欠になっているが、情報科学研究科計算メカニズム学研究室の加藤有己助教は、慶應義塾大学、東京大学、京都大学との共同研究により、従来の常識を越えた超高速の構造予測ツールセットの開発に成功した。このツールは、2種類の予測ができる。1つは、従来法で無視されることが多い複雑な部分構造を含めたRNA全体の構造予測で、精度の向上と新たなRNA遺伝子の発見につながる。もう1つは、RNAが部分的に結合した際の相互作用の予測で、RNAによる生体内制御機構の解明が期待されている。このツールはともに計算速度が世界最速レベル。従来法と比べて構造予測では最大で1万2千倍、相互作用予測では最大で4万倍の高速化を実現した。予測精度も他の手法を上回った。今後、RNAの大規模な遺伝子領域の予測や、相互作用のための標的RNAの探索に真価を発揮し、生命科学の発展だけでなく、医学や薬学の分野に貢献することが期待される。この研究成果は、2012年7月発行の「NucleicAcids Research」誌の電子版に掲載された。このツールを実装したウェブサーバー(http://rna.naist.jp/)を公開している。複雑なRNA2次構造予測のための整数計画モデルの概略構造予測サーバーの出力例加藤有己助教TOPICS「先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム」本学が最高評価を獲得文部科学省の「先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム(平成19年度採択)」の最終評価で、本学情報科学研究科を中心に京都大学、大阪大学、北陸先端科学技術大学院大学等の力を結集して実施してきたプログラム「社会的ITリスク軽減のための情報セキュリティ技術者・管理者育成(IT Keys)」が最高の評価を獲得した。文科省の推進プログラムは、大学間や産学間の壁を越えて、それぞれが持つ潜在力を結集し、教育内容や体制を強化。それにより、専門的スキルを有するとともに、社会情勢の変化などに先見性をもって対処できる世界最高水準のIT人材を育成するための教育拠点を形成するのがねらい。今回は平成22年度で補助期間が終了した本学を含む2拠点に対してヒアリングが実施され、プログラムの実施状況や成果等が当初の目的を達成できたかどうかについて審査が行われた。その結果、本プログラムは、産学の教員が連携し、講義や実習を通じて実践力を身に着けた実務者を育成するという明確な目標を持ち、短期の合宿などのカリキュラムで達成できる教育が行われていることを高く評価。とくに、ネットワークセキュリティに関して高度な実践教育が行われたことや、企業と連携することで企業の実務で必要となる知識や経験を習得させるプログラムを構築したこと。また、補助期間終了後もほぼ同様のプログラムを継続させている点などが認められ、4段階中最高の評価を獲得した。今後に期待する点として、カリキュラムを情報セキュリティと関係が深い経済、法務、心理など人文・社会学分野を取り入れ拡充を図ることや、対象を社会人にも広げること、さらに、セキュリティに関する人材の養成を発展させていくために、演習のパッケージ化や企業を巻き込んだ事業展開などで先導的な役割を果たすことを求めている。SENTAN14