せんたん vol.21

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S . S a n d a仕事でも役に立つことが多い学生時代に学んだことは、物事に対する姿勢や考え方などきっかけは、高校生の時に偶然見かけた新聞記事でした。『砂漠で生きる植物』の研究が紹介されており、「植物ってす....

S . S a n d a仕事でも役に立つことが多い学生時代に学んだことは、物事に対する姿勢や考え方などきっかけは、高校生の時に偶然見かけた新聞記事でした。『砂漠で生きる植物』の研究が紹介されており、「植物ってすごいなぁ」と単純に感じたのが始まりで、大学、大学院と植物の乾燥耐性に関する研究を行ってきました。NAISTでは、バイオサイエンス研究科の分化・形態形成学講座に所属し、「なぜ野生種スイカは強い乾燥耐性を有するのか?」ということを解明するために、光合成の側面から研究を行いました。そして現在は、日本たばこ産業株式会社(JT)に就職し、有用なタバコ品種の作出を目指し、遺伝情報を基に研究開発を行っています。植物に魅せられてきた私にとっては、シガレットという植物を原料とする製品を提供する会社で仕事が出来るということで、毎日楽しく仕事に取り組んでいます。JTでは、仕事をより効率的に進めるために、どの部署でも『RG-PDCARサイクル』を実践しています。RG-PDCARとは、Research(調査)→Goal(達成目標)→Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)のことです。つまり、まずきちんと調先輩からタバコについて教わっているところ査(R)を行ったうえで目標(G)を設定し、PDCAを繰り返す、という流れに沿って仕事を行う、というものです。入社後、社会人として学ぶべきことが多く戸惑うことも多々ありましたが、この考え方はすぐに感覚的に理解することが出来ました。振り返ってみると、NAISTでも研究を行う中で、粗削りでありながらも、このサイクルを実践していたように思います。論文を読んで必要な情報を集め、研究計画を立てては実際に実験を行い、結果に対して考察を行い、また実験…。NAISTにいた5年間、先生方や先輩に鍛えられながら取り組んできた研究の進め方そのものだったのです。学生の時の研究内容がそのまま会社で活かせるということは少ないと思いますが、物事に対する姿勢や考え方、相手にわかりやすく物事を伝えるスキルなど、学生時代に学んだことは仕事をするうえでも役に立つ場合が多いということを、社会人になった今、実感しています。高校生の自分、NAISTでの自分、社会人としての自分。それらは別々の自分ではありません。成長の過程で連続的に積み重ねてきたさまざまな経験が今の自分、そして将来の自分を形成していくのだと思っています。だからこそ学生の皆さんには、前向きに色々な経験をして充実した時間を過ごしてほしいと思います。何よりも、今の学生生活を全力で楽しんでください。実験圃場で。自分の背ほどに大きくなるタバコに囲まれてNAISTOB・OGに聞く日本たばこ産業株式会社葉たばこ研究所Profile : 2010年度博士後期課程修了(バイオサイエンス研究科分化・形態形成学講座)三田智子(さんださとこ)19 SENTAN