せんたん vol.21

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NAISTOB・OGに聞く斉藤大志(さいとうまさし)大阪市立工業研究所有機材料研究部研究員Profile : 2010年度博士後期課程修了(物質創成科学研究科光情報分子科学講座)実験は楽しく・安全に行いますM . S a i t o h語....

NAISTOB・OGに聞く斉藤大志(さいとうまさし)大阪市立工業研究所有機材料研究部研究員Profile : 2010年度博士後期課程修了(物質創成科学研究科光情報分子科学講座)実験は楽しく・安全に行いますM . S a i t o h語り合うことが大切自分の研究哲学を「科学の力で世界を変える」。学の力で世界を変える。そんな希望を科持ってNAISTに入学したのは2008年の春でした。それから2011年の春に卒業するまでの3年間、多くの学友とともに、諸先生方の指導の下、研究に勤しむ毎日を送りました。自分の能力の未熟さに悩むことも多々ありましたが、それを補って余りあるほどの楽しい事もありました。在学中は「光る分子」の研究をしており、合成した分子が思い描いていた通り光ってくれた時の感動は忘れることができません。また、海外留学やシンポジウムの運営など、3年間を通して多くの貴重な経験を積む事ができました。修了後は、現研究所の研究員として「ナノ材料」の研究をしています。みなさんは、“金”や“銀”、“銅”を見たことがありますか?光沢があり綺麗ですよね。この金属を“ナノサイズ”(1ミリの百万分の一の大きさ)にしたらどうなるでしょうか?実は、私たちの知っている金属とは違った性格が出てきます。この性格を使った新しい材料は「ナノ材料」と呼ばれ、私たちの生活を大きく変える可能性を持っています。例えば、昨今のエネルギー政策(エネルギーを創る・省く・蓄える)に大きく貢献できると注目を集めています。しかし、現実、私たちがこの「ナノ材料」の恩恵にあずかる事はあまりありません。そこでは、基礎研究から開発研究へのスピードが大きな課題となっているのです。これは何とかしなくてはいけません。私の現在の仕事は、「研究成果を如何に企業にバトンタッチするか(企業支援)」が中心です。具体的には、試料分析、特許申請、技術相談など、大学の研究とは一味違った経験を積んでいます。大学や大学院での経験は人生に於ける大きな財産です。ところが、大学院での研究を直接活かせる職場に就ける人は、残念ながら非常に稀です。多くの人が、異分野での活躍を余儀なくされます。そんな時は、自分の確固たる“研究哲学”を基に「畑違いの」研究分野を耕して欲しいと思います。そのためにも、在学中はもっと自分の先生、周りの学友と哲学について語り合って欲しいと思います。また、諸先生方は、積極的に自分の研究哲学を学生に語って頂きたいと思います。私の今の仕事は、“畑違いの”材料開発と企業支援です。ですが、「科学の力で世界を変える」、自分の研究哲学を貫くために全力投球の毎日です。博士課程1年次にカリフォルニア大学に留学させて頂きました(留学先の先生と)SENTAN20