せんたん vol.21

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知の扉を開く情報科学研究科音声翻訳でコミュニケーションを情報科学研究科知能コミュニケーション研究室中村哲教授戸田智基准教授ドラえもんのような技術自分の言葉を外国語に換えて会話できる『ドラえもん』の「ほ....

知の扉を開く情報科学研究科音声翻訳でコミュニケーションを情報科学研究科知能コミュニケーション研究室中村哲教授戸田智基准教授ドラえもんのような技術自分の言葉を外国語に換えて会話できる『ドラえもん』の「ほんやくコンニャク」、声の質を自在に変換できる『名探偵コナン』の「蝶ネクタイ型変声機」…。漫画やアニメの世界で描かれる夢の道具が実現できれば、グローバル化する社会のコミュニケーションはとても豊かになるだろう。こうしたわかりやすい例を挙げながら、中村教授は「人間のコミュニケーションを支援し、むしろエンハンス(強化)するような技術を研究開発しています」と研究室のテーマを語る。昨年4月にスタートした研究室だが、それまで中村教授はATR(国際電気通信基礎技術研究所)の所長やNICT(情報通信研究機構)の研究所長を務め、主に音声翻訳の研究を手掛けてきた。旅行などでの短い会話をその場で機械翻訳することにより、異なる言語を使う人たちの交流をサポートする技術だ。「本学では、講演、会議で話される長い文の同時通訳ができるようにしたい。日本語は英語と文の構造が基本的に異なり、肯定か、否定か、文の最後まで来ないとわからないなど難しい点がありますが、ある程度のレベルの同時通訳はできるようになると思います」と抱負を話す。英訳の音声翻訳システムの場合、まず日本語で「はじめまして」と入力すると、その音声を機械が認識する。その言葉の意味を機械が翻訳して英語のテキストにしたうえで、それを音声合成して「ナイス・トゥー・ミート・ユー」と声を出すという手順になる。どの段階も改良の課題があり、「少々誤った認識でも最適な翻訳ができるようにする」「同時通訳並みに機械翻訳の速度を上げる」「感情などのニュアンスを伝える」といった正確で素早く自然な形でのコミュニケーションをかなえる研究に取り組む。中村哲教授個性ある声質を人の声をつくる音声合成の研究も主要なテーマで、戸田准教授らが担当する。なかでも病気や事故で声帯を失った発声障害者に元の声を取り戻してあげる音声変換の技術は福祉面でのニーズが高い。「発声障害者が機械を使っての会話は、どうしても人工的な声になる。そこで、それに対応した健常者の声にリ戸田智基准教授07 SENTAN