せんたん Jan.2014 Vol.22

せんたん Jan.2014 Vol.22 page 19/24

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NAISTOB・OGに聞く木村貞弘(きむらさだひろ)(株)リコー総合経営企画室新規事業開発センターProfile : 1995年度博士前期課程修了(情報科学研究科音情報処理学講座)リコー海老名事業所にてS . K i m u r a卒業生....

NAISTOB・OGに聞く木村貞弘(きむらさだひろ)(株)リコー総合経営企画室新規事業開発センターProfile : 1995年度博士前期課程修了(情報科学研究科音情報処理学講座)リコー海老名事業所にてS . K i m u r a卒業生として誇りを持っている学ぶ事ができ、人間としての幅の広さをもスキルだけでなく、NAISTは知識、1 994年にNAISTの2期生として、入学しました。「コンピュータは、もっと使いやすくなるべきだ」「声でコンピュータが操作できれば、新しい世界観が生まれるだろう」。その思いから迷わず、音情報処理学講座を選びました。当時の音情報処理学講座は、NAIST開学の1年後に新設された講座でした。研究室には私を含め、9名の博士前期課程1年生と、我々を指導して下さった、鹿野清宏先生、中村哲先生(現NAIST情報科学研究科知識コミュニケーション研究室教授)、伊勢史郎先生の12名で研究を開始しました。最初の我々の使命は、研究室の立ち上げでした。研究テーマの設定から、実験設備の準備等、自分たちの力でやり遂げ、学生の間だけでなく、先生との非常に良い信頼関係が構築できたと今感じております。本来の志であった「声でコンピュータが操作したい」との思いから、研究テーマは「音声対話システム」を設定しました。研究では、それまで扱った事がなかった音声信号処理アルゴリズム、音声認識アルゴリズム、言語情報処理など、多岐にわたった知識が必要となり、非常に苦労しました。しかしながら、当時の指導教官であった中村哲先生のご指導、ご支援のもと、音声でインターネットを検索するという当時は斬新であったシステムの研究成果を上げることができました。修了後、株式会社リコーに就職しました。入社後、半導体プロセス開発のセクションに配属になり、2年間、半導体プロセス開発の経験を積んだ後、DSP(Digital SignalProcessor)を用いた音声処理ソフトウェアの開発に従事しました。そこではNAISTで学んだ信号処理の知識をフルに活かすことができ、その後もこの知識を使って無線通信LSIの開発を任され、ハードウェアからソフトウェアまでシステム全体として開発するスキルをつけることができました。ここで得られたスキルは、電子システムレベル(ESL)と呼ばれるもので、先駆的な開発手法であったため、社外のセミナー講師や、大学での講義等数多くの場で講演することになりました。その後、このESLを活用し、特定用途向けプロセッサ(Application SpecificInstruction Processor)の開発や、それに絡めて海外企業との共同開発、ドイツの大学との共同開発を行いました。最近では、これまで実施してきた技術開発を新しい事業に展開するため、志願して新規事業プロジェクトを立ち上げました。NAISTを卒業し、17年経っていますが、ご指導頂いた先生、同期の仲間とは今でも交流があります。NAISTは知識、スキルだけでなく、人間としての幅の広さを学ぶ事ができ、私自身はNAISTの卒業生として誇りを持っております。共同研究先のドイツの大学へ向かっていた際の電車内にてSENTAN18