せんたん Jan.2014 Vol.22

せんたん Jan.2014 Vol.22 page 6/24

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特集理事・副学長に聞く教職員、学生が実力を発揮できるような世界最高レベルの教育研究環境をつくりたい本学の片岡幹雄副学長が理事・副学長に就任した。物質創成科学研究科長などを歴任し、研究面では光受容タンパ....

特集理事・副学長に聞く教職員、学生が実力を発揮できるような世界最高レベルの教育研究環境をつくりたい本学の片岡幹雄副学長が理事・副学長に就任した。物質創成科学研究科長などを歴任し、研究面では光受容タンパク質の構造解析など世界的な成果で知られる生物物理学界の重鎮。片岡理事・副学長に、教育、国際連携など大学院大学の課題や研究のあり方などを聞いた。―理事就任の抱負をお聞かせください学長のリーダーシップの下に本学を発展させることに尽きます。私個人としては、小さいながら光り輝く先端科学技術に特化した大学院大学であり続けること。そのために自分にできることをしていきたい。本学を支えている教職員、学生が自分たちの力を発揮できるような教育研究環境をつくり、学生には最高の教育の場を提供します。そのベースには世界最高レベルの研究があり、世界に活躍できる人材として育つように力を注ぎます。―大学院大学としての教育の課題はまず、専門教育に関しては、各研究科で世界に誇れる教育カリキュラムが用意されています。ただ、せっかく本学には、情報、バイオ、物質の3研究科があるのだから、研究科ごとに閉じこもる教育だけではなくて、先端科学技術に特化した大学院大学ならではの全学共通教育といえるような内容を考えて、さらに充実させていきたい。具体的に言えば、各研究科で行われている研究テーマの概念的な理解があり、それでは他の研究科ではどのようなテーマがあるかと融合領域を知ることが非常に有意義であると思います。一方で、科学技術者になるために必要な科学哲学や科学倫理の問題、それから科学技術政策との関連などを3研究科の学生が集まって議論しながら学んでいく。そのような全学共通教育というものが考えられます。残念ながら、本学には文科系がないので総合大学の取り組みとは異なりますが、むしろ、先端科学に特化していることをメリットにして、異なる専攻の先生がそれぞれの視点から現代社会の問題点を考える。それによって世界のリーダーとなる資質が身についていくのではないかと期待しています。さらに、視野を広めるため、各方面で活躍されている方の「科学技術論、科学技術者論」を開講していますが、科学技術系のみならず幅広い分野の講師をお願いしています。―国際連携についてはグローバル化と国際化は分けて考えたい。科学研究そのものは、確かに国境はなくなり、グローバル化されています。しかし、技術については、科学技術立国を進めるうえで知的財産の問題など国家を明確に意識したうえでの国際化が行われています。そこを混同したまま、ただ留学生を集めればいい、外国人教員を招致すればいいということではないと、基本的には思っています。昨年私も国際担当として、グローバル化戦略プランのアクションプランをまとめるのをお手伝いしました。そのなかでもっとも強く思ったのは、まず日本人教員の中で外国での研究経験のある人の比率を、現在の40%台から、70%~100%にしたい。それにより、外国人が増加することと同様の効果が出るだろうと思います。世界最先端の教育研究を知らない教員が、世界最先端のレベルにはなかなか到達できない。そういう環境でもまれてきたという経験が必要だと思います。世界レベルの優れた研究をしていると、最初の段階では、世界は競争相手で国際共著論文の数は限られることがあります。そこで突出した成果が出ると今度片岡は世界から一緒にやりたいとの申し出があるようになる。そういう意味では、世界の研究のハブになれる研究者を増やし、発信していくのも大事なことだと思います。―留学生を増やす計画については文部科学省の留学生30万人計画がありますが、本学としては修士課程で10%、博士課程で30%、全体として20%~30%ぐらいが適正規模と考えられます。いろいろな文化を背景に持つ人が集まって暮らすキャンパス、多様性という観点から非常に大事なことだと思います。今後は日本人の学生と同様に留学生に対しても、素養や学力の質をそろえていくことを考える必要があるでしょう。グローバル化に関しては、大学が一所懸命やっても、卒業した留学生を受け入れる日本社会がグローバル化していない。企業もなかなか留学生を受け入れてくれないことがあります。留学生も日本の企業に行きたいと考えていますが、その時に英語だけでなく、日本語能力も要求される。だから、日本人に対する英語教育や、英語による学位取得プログラムをつくると同等に、留学生に対しても知的なレベルで論理的に話せるレベルの日本語を身に付けるような教育を考えていきたい。日本人に本当に議論できるレベルの英語を身に付けさせるよりは、おそらく留学生に日05無限の可能性、ここが最先端-Outgrow your limits-