ブックタイトルSENTAN May 2016 vol.25

ページ
15/24

このページは SENTAN May 2016 vol.25 の電子ブックに掲載されている15ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

SENTAN May 2016 vol.25

2015.11-2016.3物質創成科学研究科情報機能素子科学研究室石河泰明准教授安定した透明フレキシブルディスプレイ駆動素子を開発~IGZO薄膜トランジスタの駆動電圧を40%以下、信頼性を2倍以上に~物質創成科学研究科情報機能素子科学研究室の石河泰明准教授、藤井茉美助教らは、一般財団法人電力中央研究所の小野新平主任研究員らと共同で、注目されている酸化物半導体「IGZO」を用いた薄膜トランジスタの課題だった極低電圧駆動と高信頼性を同時に大幅に改善した。これまで高性能とされている酸化シリコン絶縁膜を使った素子の40%以下という低い駆動電圧で稼働して消費電力を削減、劣化量は1/2以下と信頼性も高い。IGZOは、次世代ディスプレイの駆動に使われる薄膜トランジスタの活性層材料として期待されている。イオン液体という常温大気中で液体状態を保つ塩を用い、IGZOとの界面に電気二重層を形成し、通常より多くの電子が利用できる状態にすることにより実現したもの。この技術を用いることにより、軽くて薄く、透明でフレキシブルなディスプレイを長期間安定して動作させることが可能になる。この成果は英国科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。薄膜トランジスタのディスプレイ応用イメージ図薄膜トランジスタはディスプレイの画素駆動などに用いられる。本成果により、ディスプレイの透明フレキシブル化に貢献できる。IGZO薄膜トランジスタにイオン液体が形成する電気二重層を用いた高性能化のイメージ図(a)薄膜トランジスタ上にイオン液体を滴下し、(b)のように電圧を印可することでIGZOとイオン液体界面に電気二重層が形成される。(図中のS、D、Gはそれぞれソース電極、ドレイン電極、ゲート電極を示している。)これにより、通常より多くの電子を利用することが可能になり、低い電圧でも素子が駆動し、電界ストレスによる閾値電圧シフトなどの劣化を抑制でき、また、素子高性能化にもつながる。その他の研究成果一覧タイトル所属/研究者年月透明作物を短時間で作製する手法“TOMEI”の開発~作物の内部構造の解析やバイオマス定量解析が可能に~バイオサイエンス研究科植物発生学研究室相田光宏特任准教授ら2016年3月ハイビジョンの16倍高解像度の8K超高精細ライブ映像をインターネット網でリアルタイム暗号化配信世界初の盗聴や改ざんを防ぐシステムの実験を実施北海道から沖縄まで日本を縦断する通信網情報科学研究科情報基盤システム学研究室油谷曉助教ネットワーク統合運用教育連携研究室小林和真教授ら2016年2月80年越しに見えてきた磁石・マグネタイト(Fe3O4)の本当の姿~分厚い表面に封じられていた新たな電子状態を発見従来のデータ解釈覆し、謎解明へ~物質創成科学研究科凝縮物性学研究室大門寛教授、田口宗孝特任助教ら2015年12月細胞膜を越えるたんぱく質輸送の新たな機構を解明~通り道を塞ぐキャップを開閉して制御細胞内における基本的な生命現象の理解へ~バイオサイエンス研究科膜分子複合機能学研究室塚崎智也准教授、田中良樹助教、菅野泰功(D1)ら2015年11月難解な画像の意味も読み取る「錯視」をマウスは見ていた~世界初脳の情報処理システムの解明に道~バイオサイエンス研究科神経機能科学研究室駒井章治准教授ら2015年11月14