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概要

せんたん JAN 2018 VOL.26

の扉を開くサイバー被害から素早く立ち直る高度なネット空間を構築する情報科学研究科サイバーレジリエンス構成学研究室門林雄基教授宮本大輔特任准教授樫原茂助教ドゥドゥ・ファール助教減災は時代の要請だれもが地球規模で情報をやりとりできるインターネットは、経済活動をはじめ国民の生活を便利で豊かにする開かれたインフラ(基盤技術)として急速に浸透し、肥大化の一途をたどっている。しかし、一方で利用者らの誤操作による情報漏えいなどの事故や悪意のあるコンピュータウイルス、ネット詐欺、サイバー攻撃など常に脅威にさらされていて、コンピューターシステムの安全性確保のための新たなセキュリティ技術の開発の要請が日増しに高まっている。門林教授らは、こうした被害に対処する技術開発の考え方として「レジリエンス」(回復力)を中心に据えた。「サイバーレジリエンスは製造者らがミスしないことを仮定するのではなく、事故などが起きることを前提に被害を軽減する技術や情報システムの安全運転のための支援技術などを開発するのです」と説明する。門林教授は、これまで国連の専門機関である国際電気通信連合(I T U)で行われていたサイバーセキュリティの国際標準化を主導し、20件の勧告を成立させるなど国際的な活動でも知られる。オトリで対抗する最近の研究成果を紹介しよう。まず、身近な例では、本物そっくりのニセのウェブサイトに誘いこんで、個人情報や金額を入力させるフィッシング詐欺からネット利用者を救う支援技術がある。表示されるサイトの住所(U R L)が本来のものと合っているかどうかを確認するなどの注意力があればニセのサイトを見破れる。そこでカメラで利用者の視線を追跡し、見ていなければコンピュータシステムが注意散漫で危険と判断して入力を無効にしてしまう。また、サイバー攻撃に見舞われた場合に、システムの要めであるサーバーを迅速に復旧する技術も手掛けている。例えば、1台のサーバーしかないと、あっと言う間にダウンするが、ネット上に何台もの仮想サーバーを設けるクラウドコンピューティングの技術を使い、仮想サーバーの中に