ブックタイトルSENTAN せんたん JAN 2019 vol.27

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概要

SENTAN せんたん JAN 2019 vol.27

バイオサイエンス領域花発生分子遺伝学研究室伊藤寿朗教授花がめしべづくりを開始するためのDNAの折りたたみ構造の変化を解明食糧増産や安定供給に期待先端科学技術研究科バイオサイエンス領域の伊藤寿朗教授、山口暢俊助教と立命館大学などの共同研究グループは、花の中心部にある「めしべ」が形成されるときに、その形成に関わる遺伝子を働かせるスイッチ(遺伝子発現)がオンになる詳細な仕組みを世界に先駆けて明らかにした。この成果により、人工的にめしべの大きさや数などが調節できるようになれば、環境に応じた食糧の増産や安定供給などが期待できる。めしべをつくるためには、遺伝子発現のスイッチをオンにする複数の転写因子(タンパク質)が働くが、オフの状態では、遺伝子の本体であるDNAはタンパク質であるヒストンに巻きつき、クロマチンと呼ばれるDNAが折りたたまれて閉じた構造を作っていて、転写因子が入り込めない。伊藤教授らは、シロイヌナズナを使って実験を重ね、最初の段階で転写因子(パイオニア転写因子)が、クロマチンの構造を変化させる因子(クロマチンリモデリング因子)と共に働いて、複雑な構造をほどくことを見いだした。次いで別の転写因子がめしべ形成のDNAに直接結合して発現させるという、2つの転写因子が連係する順序や仕組みを突き止めた。このような仕組みはこれまでは動物でのみ報告されており、今回、植物にも同様の仕組みが存在すると解明したことは、植物の進化や生き残り戦略を知る上でも重要になる。本研究の成果は「ネイチャーコミュニケーションズ」(オンライン)に掲載された。その他の研究成果一覧2018.8プラントの自動最適化運転に活用可能な強化学習技術を開発情報科学領域知能システム制御研究室松原崇充准教授世界初のIntelligent Image-Activated Cell Sorterを開発~細胞画像の深層学習により高速細胞選抜を実現~物質創成科学領域生体プロセス工学研究室細川陽一郎教授2018.9人工知能によるうつ病の脳科学データの解析により抗うつ薬が効かない患者群を予想できることを発見情報科学領域数理情報学研究室吉本潤一郎准教授2018.10神経細胞が脳内を移動するための仕組みを解明~移動に必要な推進力を生み出す分子が明らかに~脳疾患解明への応用に期待バイオサイエンス領域神経システム生物学研究室稲垣直之教授2018.11肥満解消に新たなプレイヤーバイオサイエンス領域幹細胞工学研究室栗崎晃教授LIFULL、奈良先端科学技術大学院大学と住環境センシングの共同研究を実施~居住環境品質を同一基準で比較検討可能に~情報科学領域ユビキタスコンピューティングシステム研究室諏訪博彦助教IMAGICA GROUP、オー・エル・エム・デジタル、奈良先端科学技術大学院大学がディープラーニング技術を使ったアニメの自動彩色技術を開発情報科学領域光メディアインターフェース研究室向川教授・舩冨准教授・久保助教2018.12古代の甲の形状比較ソフト開発情報科学領域ロボティクス研究室高松淳准教授大脳皮質の入り口で、すでに多種の感覚情報が処理されていることを発見~「早い情報処理」の謎解明に期待~バイオサイエンス領域神経機能科学研究室駒井章治准教授酵母が環境に合わせて発酵力を変える仕組みを解明自在に能力を高める「発酵デザイン技術」の確立へ~清酒酵母の高発酵力の原因も明らかに~バイオサイエンス領域ストレス微生物科学研究室渡辺大輔助教、高木博史教授S E NTAN1 4