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概要

せんたん JAN 2020 VOL.28

巻頭奈特良集先端大東京フォーラム2019奈良先端科学技術大学院大学研究推進機構特任准教授松原崇充奈良先端科学技術大学院大学研究推進機構特任准教授畑中美穂国立研究開発法人科学技術振興機構理事長濵口道成氏興福寺寺務老院多川俊映氏ファシリテーターシンクタンク・ソフィアバンク代表藤沢久美氏社会実装の可能性先S端DテGsク時ノ代ロにジおーけとるパネルディスカッション松原ロボット向けのAI技術の研究です。産業ロボットのようなあらかじめ設計された動きではなく、人間のように試行錯誤の経験から行動パターンを学習します。多様な環境に対応できるうえ、少ない学習量でも効率よく的確に行動できる技術を開発しました。微調整が必要な布を裏返す作業や、天候の影響を受けやすい小型船舶の自動運転も可能になりました。畑中コンピューターの中で化学現象を予測する研究です。シミュレーションや機械学習を駆使して、新素材に適した化合物の候補を提示し、素材開発の加速に貢献しています。吉田ペットボトルの材料であるポリエチレンテレフタレート(PET)を食べて、増殖する微生物を発見し、そのメカニズムを調べています。また、微生物により、廃棄物を有用な化合物に変換して役立てる研究も進めています。研究を社会に役立てる藤沢研究の成果をどのようにしてSDGsという研究の応用の出口につなげているのですか。畑中適切な化合物の候補を提示することで、無駄な実験を最小限に抑え、従来よりも少ない資源で素材開発を可能にするという形で貢献しています。松原ロボットにAI技術をどこまで導入すれば実用になるかを検証しています。そこで、企業の研究者とともに、最新の技術を現場に持ち込んで、何が必要かを探索します。吉田発見した微生物によるPETの分解の速度は、まだまだ遅く、すぐには実用化できません。環境浄化などへの期待があるので、機能を詳しく調べる地道な研究を通して、ブレークスルーの可能性を探っています。社会との関わりの重要性藤沢社会との関わりの中で科学者の立場をどのように位置づけますか。畑中私は知りたいという欲望に突き動かされて研究を行っていますが、研究を通して得た知見を社会還元することも大切なので、両面から課題に向き合っています。03 S E NTAN