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概要

SENTAN SEP2019 vol.28

物質創成科学領域生体プロセス工学研究室細川陽一郎教授レーザーとマイクロ流体チップによる超高速セルソーター実現へ~気泡の発生で従来方法の限界を突破~物質創成科学領域の細川陽一郎教授、飯野敬矩元特任助教、東京大学大学院工学系研究科の小関泰之准教授、同理学系研究科の合田圭介教授らの共同研究チームは、フェムト秒レーザーを用いて、マイクロ(100万分の1)メートルサイズの細胞や粒子を高速に判別し、1つ1つ高効率、高純度に分取する技術を開発した。微小な粒子などを取り分ける方法としてセルソーターという装置が使われ、マイクロメートルサイズの流路に一つずつ流して、個別に判別しているが、「分取する速度を上げると精度が落ちる」などの問題があり、その原因として「流れる粒子が数珠つなぎになるなど一定の間隔が取れない」ということが指摘されていた。細川教授らは、マイクロ流体チップ中にマイクロメートルサイズの細胞や粒子を高速で流し、その流路中に顕微鏡を使ってフェムト(1000兆分の1)秒の超短時間、レーザー光を集光することで、気泡を発生させ、間隔を開けて目的の粒子を分取する方法を開発。粒子間隔が粒子の大きさまで小さい場合でも、非常に短時間に、目的とした粒子を分取できることを実験で示すことに成功した。このような粒子ごとの選別技術が、医学、生物学、細胞工学、環境工学などの分野で注目されており、開発された方法は、超高速セルソーターを実現する要素技術として期待される。その他の研究成果一覧2019.4ヒト由来カルシウムポンプの高分解能構造と活性制御機構を解明~細胞内カルシウム恒常性維持機構の破綻が引き起こす疾病の原因解明に光~バイオサイエンス領域構造生命科学研究室塚崎智也教授2019.5植物は幹細胞の頑強な増殖を止めるために多段階スイッチを使っていた開花、種づくりに向けての巧妙な仕組み解明~園芸植物の花の改良や食糧増産に期待~バイオサイエンス領域花発生分子遺伝学研究室伊藤寿朗教授2019.6奈良先端科学技術大学院大学と株式会社ギブリーがソースコードの"質"の自動評価方法に関する共同研究を開始~プログラミング学習・試験プラットフォーム『track』の機能向上に貢献~情報科学領域ソフトウェア工学研究室石尾隆准教授生命維持の物質の運び屋「小胞」を形作るタンパク質を発見ハサミのように生体膜を切り分けて大きさを制御~細胞内の物質輸送の仕組み解明に期待~バイオサイエンス領域末次志郎教授分子医学細胞生物学研究室2019.7同種と異種の花粉を区別する分子を発見~種の壁を自在に制御する技術の開発に期待~バイオサイエンス領域和田七夕子助教花発生分子遺伝学研究室血液中の肺がん遺伝子異常を調べる高感度技術を開発、承認申請へ超高速の次世代遺伝子解析を使い、微細な変化を検出~患者に優しい遺伝子検査でがんの精密医療を推進する~バイオサイエンス領域加藤菊也特任教授疾患ゲノム医学研究室合成途上のタンパク質が一時停止、そのわけは?~リボソームトンネル内での構造をクライオ電顕により明らかに~研究推進機構河野憲二特任教授化学構造を手掛かりにしたデータサイエンスの手法で、天然物化合物の生合成経路の予測に成功!有機分子の特性や薬剤設計の研究への活用期待データ駆動型サイエンス創造センター/情報科学領域計算システムズ生物学研究室小野直亮准教授複数のスライスされた標本から、元の立体形状を復元する画像処理技術を開発~ヒトの成長過程の解明にも寄与~情報科学領域光メディアインタフェース研究室舩冨卓哉准教授S E NTAN14