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概要

SENTAN SEP2019 vol.28

特集奈良先端大の地域教育連携大学が最新の教育・研究を地元の中高生に体験してもらうことで、将来を見通した的確な進路の選択に役立て、早期からの人材の育成にもつなげるという地域教育連携による教育改革の取り組みが広がっている。奈良先端科学技術大学院大学は平成31年3月に県内で初めて、奈良県教育委員会、県立奈良北高校と連携協定を結び、情報科学の分野で協力して時代の要請に即した教育を行う。これまで、本学は、先進的な理数教育を推進する文部科学省の「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」指定校の高校生を研究室に受け入れ、中学生に対しては、特別授業や出前授業で、最新の研究に触れる機会を作ってきた。こうした取り組みを重ねることにより、地域の科学教育を担う拠点になりつつある。柔軟な判断力、発想力を育む本学と県立奈良北高校、県教育委員会の連携協力に関する包括的な協定は、高校生が「情報科学」の分野に対する正確な理解を深めて、それを活かす能力を高めるとともに、学習の過程で柔軟な判断力と枠にとらわれない発想力を育み、未来を切り拓く創造性を身に付けるのがねらい。大学は県教委、高校と協力してカリキュラムを組み、高校生に対し、情報科学の基礎から応用までのさまざまな段階で培われた教育活動にもとづいて実験や講義などを行う。さらに、生徒の進路に関する情報なども提供し、社会的な現状を適切に見据えた指導をする。情報科学の高校教育については、文部科学省の新たな学習指導要領で、2022年4月からは、教科「情報」の2科目のうち、情報社会の問題解決やプログラミングの方法などを教える「情報Ⅰ」が共通必履修科目となる。さらに、先ごろ閣議決定された「未来投資戦略2018-「Society5.0」「データ駆動型社会」への変革-」では、その2年後の大学入試共通テストに科目「情報Ⅰ」を追加すべく、本年度から検討を開始するとされている。こうした情報科学の高校教育を巡る大きな動きは、「その知識、技能を活用して課題解決に結びつける思考力などを01 S E NTAN