ブックタイトルSENTAN せんたん JAN VOL.29

ページ
2/24

このページは SENTAN せんたん JAN VOL.29 の電子ブックに掲載されている2ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

SENTAN せんたん JAN VOL.29

奈良先端大東京フォーラム2020人生100年時代のサイエンス~SDGsを達成する先端テクノロジー~基調講演22世紀の社会を夢見る沖大幹氏国際連合大学上級副学長国際連合事務次長補人生100年時代を迎え、いまの子供たちの半分以上が2100年を越えて生きるという視点から、長期的な展望に立って俯瞰する必要があると思います。国連が2015年の総会で採択した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に「持続可能な開発目標(SDG s)」が掲げられています。貧困、飢餓、福祉、教育、気候変動対策、技術革新など17の目標が設定され、持続可能な開発の3側面である経済、社会、環境の調和が重要であると強調されています。社会的な影響力を持つ民間企業にも積極的な取り組みを求めている点は、これまでの開発目標とは大きく異なります。すなわち、企業利益の一部を寄附行為や慈善事業を通じて社会に還元するというCSR(企業の社会的責任)の考え方ではなく、本業を通じた価値の提供を通じて社会に貢献し、企業自体も持続可能となることが求められているのです。また、科学技術で地球環境を守るためには、「壊れないものをいかに安く効率よく作るか」だけではなく「何を作るべきか」を考えてデザインするのが大事です。例えば、新型コロナウイルス感染症のようなパンデミックが起きても被害が軽くて済む社会の構築には何が必要か、というようなアイデアです。「未来はどうなるか」ではなく、「どうするか」という風に主体的に考えて行動する必要があります。01S E NTAN