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概要

せんたん MAY 2018 vol.27

特集各プログラム長挨拶報科学の本質を身につけ、情報社会の問題解決など新たな技術革新を起こす情報理工学プログラム長笠原正治教授情報科学の世界では、量子コンピュータや人工知能(AI)、IoT(Internet of Things)、情報セキュリティ、仮想現実空間、ヒューマノイドロボット、ブロック・チェーンなど、パラダイムシフト的な新しい概念や技術変革が間断なく起きています。このような進展著しい情報科学分野では、新しい計算原理や先進的データ構造・アルゴリズム、情報ネットワーク、情報メディア技術、システム科学の最先端知識に基づく柔軟な問題解決能力が求められています。情報理工学プログラムでは、このような変革著しい情報科学分野に対し、広い視野と高度な専門性を備え、さまざまな分野で情報科学技術の高度化やその多面的な活用により、次世代の高度情報化社会を支える人材を育成することを目標としています。その目的達成のため、コンピュータのハードウェアやソフトウェア・情報ネットワークといった情報基盤技術、コンピュータと人間のインタラクション及びメディアに関する情報メディア技術、ロボットやクラウド・コンピューティング、人工知能や医療情報といったコンピュータを高度に駆使するシステム情報技術など、情報科学分野の基礎知識と最先端技術を体系的かつ網羅的に履修できる情報系教育プログラムを用意しています。情報科学の本質を身につけ、情報化社会におけるさまざまな問題の解決や新しい情報サービスを創出して社会的イノベーションを起こすことに強い意欲を持つ学生のみなさんの参加を心よりお待ちしております。生命科学のブレークスルーは、これまで常に技術革新が先導してきました。たとえば、DNA塩基配列決定技術の急速な進歩と、コンピュータを利用したDNA塩基配列解析技術の飛躍的な発達により、1990年頃には夢物語だと思われていたヒトゲノムの解読は、10年あまりという短期間に成し遂げられました。つまり、情報科学の技術がゲノム解読を先導したといえます。それだけではなく、タンパク質の構造解析、画像解析、生命現象の数理モデル化など、既に情報科学の技術は生命科学のさまざまなところで活用されているのです。今回、情報科学とバイオサイエンスが融合して、情報生命学プログラムがスタートしました。このプログラムのねらいは2つです。生命の問題に、情報科学者と生物学者が力を合わせて取り組むことが有効ですが、考え方のちがいなどから両者がガッチリと共同研究することは、これまで簡単ではありませんでした。第1に、このプログラムでは、情報科学のバックグランドを持つ学生とバイオサイエンスのバックグランドを持つ学生が協働するPBL(ProjectBased Learning)科目を中心に、おたがいが理解し合い、真の共同研究ができる人材を育成することを目指します。また、これまでの情報生命学の手法を学ぶのはもちろんですが、技術の進歩を利用して新たなブレークスルーをおこすことが第2のねらいです。最先端技術を総動員して、だれも知らない未来を切り拓きましょう。報とバイオが理解を深め、未知の突破口を拓く情報生命科学プログラム長別所康全教授03 S E NTAN