ブックタイトルSENTAN せんたん SEP 2018 vol.27

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概要

SENTAN せんたん SEP 2018 vol.27

物質創成科学領域光機能素子科学研究室太田淳教授ぶれない、まぶしくない、自撮りできる小型眼底カメラシステムを開発毛細血管もとらえる眼底網膜像で在宅ヘルスケア応用に期待物質創成科学領域の太田淳教授らの研究グループと東京大学大学院情報理工学系研究科の研究グループは共同で、画像処理装置の高速ビジョンと近赤外光を用いることにより、ユーザーが1人で眼底網膜像を撮影する新しい小型眼底カメラシステムの開発に成功した。眼底を撮像するためには、瞳孔と眼底の光軸を正確に合わせ、暗い眼球内を強いフラッシュ光で隈なく照らす必要がある。眼球が高速に細かく動くことやまぶしさのため、患者が自分で撮像することは困難だった。今回、開発されたシステムは1秒間に1000枚の画像を信号処理する高速ビジョンにより、高速微動する眼球をトラッキングしてぶれを防ぐ。さらに、まぶしくない近赤外光を使うことで、眼底に十分な光を到達させることができるので、眼に負担をかけることなく精細な眼底像が得られる。近赤外像はモノクロだが、3種の波長の光を当てることにより、カラー画像として再現できる。眼底は体外から血管が観察できる唯一の場所であり、その観察は目の病気だけでなく高血圧や動脈硬化など生活習慣病の予防や診断にも有用。眼底を自宅で気軽に自撮りできるシステムは、現時点では未承認医療機器だが、今後パーソナルヘルスケアへの応用が期待される。この成果は6月21日にハワイで開催された国際会議「2018 Symposiaon VLSI Technology and Circuits」で発表された。研究推進機構研究推進部門ソーシャル・コンピューティング研究室荒牧英治特任准教授ツイッターの発言から花粉症の流行を推定するソフトを開発患者本人のつぶやきだけを自動抽出研究推進機構研究推進部門の荒牧英治特任准教授(情報科学領域特任准教授)、若宮翔子博士研究員らの研究グループは、AI(人工知能)技術でツイッターの花粉症に関する発言を抽出、集計して流行の状況を把握し、天気予報のように情報提供するアプリ「花粉症ナビ-人工知能で花粉症危険度をお知らせ」を開発した。花粉症については、原因になる花粉の飛散量情報が提供されているが、その飛散量と花粉症者の症状の程度が必ずしも比例せずギャップがあることなども報告されている。このため、荒牧特任准教授らは、花粉症で苦しむ人を一種のセンサー(ソーシャルセンサー)とみなし、こうした人たちのつぶやきを活用した花粉症サーベイランスに取り組んでいる。今回、開発したアプリケーションは、マイクロブログサービス「ツイッター(Twitter)」に投稿されている「花粉症」に関するつぶやきを都道府県ごとに集計し、花粉症の流行度合いを天気予報のようにチェックできる。具体的には、ツイッターの発言の中から、実際に「花粉症」の症状がある人のつぶやきを自然言語処理技術で自動的に抽出し、都道府県ごとに集計したつぶやき数の増減をもとに花粉症の流行度合いを求めている。現在は、当日の流行情報の提供だが、今後は、詳細な地域単位で流行を予測する形での情報も提供していく予定。2018.5植物ホルモンのオーキシンは、花の雄しべの数を決定している器官分化の境目で作用する新たな仕組みを解明~オーキシン使い、園芸品種の改良や食糧増産に期待~バイオサイエンス領域花発生分子遺伝学研究室伊藤寿朗教授2018.6ミドリムシのメタボ診断法を開発~地球温暖化対策、藻類利用の拡大に期待~物質創成科学領域生体プロセス工学研究室細川陽一郎教授バルク結晶と薄膜結晶で異なるスピン状態を直接観測スピン状態の判別に有効な計測手法を確立2018.7多様な植物に侵入するペプチドの探索~植物種に応じた膜透過性ペプチドの最適化が必要~物質創成科学領域凝縮系物性学研究室大門寛教授バイオサイエンス領域植物代謝制御研究室出村拓教授S E NTAN1 2