ブックタイトルSENTAN せんたん SEP 2018 vol.27

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概要

SENTAN せんたん SEP 2018 vol.27

受賞◆受賞研究テーマ『コンピュテーショナルフォトグラフィによる多波長超短時間撮影』情報科学領域光メディアインターフェース研究室北野和哉さんが2017年度未踏IT人材発掘・育成事業の「スーパークリエータ」に認定!光メディアインターフェース研究室の北野和哉さん(博士後期課程1年)が2017年度未踏IT人材発掘・育成事業の「スーパークリエータ」に認定されました。本事業はIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が突き抜けた才能を持つ若いIT人材(クリエータ)を発掘・育成するために、2000年度から実施しているものです。その中で、特に卓越した能力を持つと認められたクリエータが「スーパークリエータ」として認定されます。◆受賞研究の概要近年、物体に伝播する光を計測することで物体の物理的な情報を取り出す試みが行われている。これらは、人体や物体内部の非侵襲計測や自動運転で問題となる霧の除去などの応用が可能である。しかし、光は3mを十億分の一秒で進むために、空間中に光が伝播していく様子を撮影するには高い時間分解能が必要である。また、そのような計測を行うには数千万円規模の高価な装置が必要であった。そこで、本プロジェクトでは、センサと演算処理の協調設計によって簡易なハードウェアで千億分の一単位の光伝播を計測可能な装置を開発した。◆受賞についてのコメントこの度は、栄誉ある賞をいただき大変光栄に存じます。昨年の6月に採択され、9カ月間、未知の領域に対して挑戦し幾度もの困難がありましたが、結果的に高く評価いただき大変嬉しく思います。プロジェクトの構想段階からアドバイスをくださいました青砥隆仁様、田中賢一郎助教に心から感謝いたします。また、プロジェクトの遂行にあたり手厚い指導をしていただきました首藤PMをはじめ熱心に議論をしてくださいました未踏OBの皆様並びに多大なるご支援をいただきました向川康博教授に厚くお礼申し上げます。◆受賞の対象となった研究表題『Diauxic shiftおける小胞体ストレスセンサーIre1依存的ミトコンドリア伸展に関する研究(未発表)』バイオサイエンス領域ストレス微生物科学研究室木俣行雄准教授が大隅基礎科学創成財団の酵母コンソーシアムフェローの称号が授与されました!ストレス微生物科学研究室の木俣行雄准教授に大隅基礎科学創成財団の酵母コンソーシアムフェローの称号が授与されました。大隅基礎科学創成財団は、ノーベル生理学・医学賞受賞者である大隅良典博士が中心となって、日本の基礎科学の振興を目指して設立された財団です。酵母を用いた独創的かつ新規性の高い基礎生物学的研究に対して与えられる大隅基礎科学創成財団第1期研究助成に、木俣准教授の研究が採択され、また、大隅基礎科学創成財団の今後の活動に関わるべく、木俣准教授には酵母コンソーシアムフェローの称号が授与されました。◆受賞研究の概要エネルギーを得るために、細胞は発酵(解糖)や有気呼吸を行う。栄養条件などの環境によって、発酵と呼吸のどちらが主として行われるかが異なり、酵母での発酵から有気呼吸への切り替わりをDiauxic shiftと呼ぶ。Diauxic shiftでは、例えば、有気呼吸の場であるミトコンドリアが伸展するなど、大規模な生理的変化が細胞内で起こるが、そのメカニズムには不明な点が多かった。今回の研究では、そもそもは細胞内の蛋白質折り畳み状態をモニターするためのセンサー蛋白質として知られていたIre1が、Diauxicshift時のミトコンドリア伸展にも寄与することが示された。◆受賞についてのコメント基礎分子細胞生物学をこれまで支えてきたモデル生物である酵母での研究について、さらなる研究の発展の可能性を評価していただき、まことに光栄です。単細胞真核生物である酵母は、基礎生命科学において重要な実験材料であるだけでなく、発酵生産などで産業的にも欠かせない生物です。今後とも、基礎科学と応用テクノロジーとの融合を念頭に置き、さらなる研究の発展に努めたいと思います。1 3 S E NTAN