ブックタイトルSENTAN せんたん SEP 2018 vol.27

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概要

SENTAN せんたん SEP 2018 vol.27

NAIST OB・OGに聞く経験を積むことです福田健太郎Kentaro Fukuda考えて、試してみるという開発した結晶の特性を評価。センシングデバイス研究室と長年共同研究している。株式会社トクヤマ研究開発部門徳山研究所主席Profile : 1999年度博士前期課程修了(物質創成科学研究科バイオミメティック科学講座)私は物質創成科学研究科の一期生として入学し、バイオミメティック科学講座で学ばせていただきました。できたての研究科ということもあり、学生たちで設備を立ち上げたり大変なこともありましたが、研究もそれ以外でも、実に楽しい学生生活でした。取組んだ研究テーマは、生体脂質類似化合物を設計・合成し、これを使って酵素機能を制御するというもので、いま思い返しても興味深いテーマでした。わずか数mgの化合物を苦労して合成し、実際に酵素活性をコントロールできた時には非常にうれしかったことを思い出します。博士前期課程を修了した後は、総合化学メーカーのトクヤマに入社し、シリカ粉末の用途開発や無機結晶材料の研究開発に携わっています。NAISTで学んだバイオミメティック科学は、残念ながら就職後の仕事には直結していません。むしろ、バイオ/有機化学の融合領域から無機化学への転換という意味では全くの畑違いと言っていいくらいです。また、スパチュラ(へら)で貴重な試薬を扱う実験から、生産現場のベルトコンベアに乗った半製品をスコップでサンプリングするという研究のスケールの転換にも戸惑うばかりでした。入社当初は、こりゃ失敗したかなぁという思いもありましたが、今ではそれで良かったと思っています。分野が違っても、研究に対する取組み方は大きくは変わりません。また、異分野のアイディアがブレークスルーのきっかけになることも多々あります。大事なことは、自ら興味を持って、考えて、試してみるという経験を積むことだと思っています。NAISTの学生の皆さんには、研究はもちろんのこと、遊びも含めてさまざまな経験をして、充実した学生生活を過ごしてほしいと思います。NAISTでの時間は、将来の進路に直結するか否かにかかわらず、皆さんの貴重な財産となるでしょう。トクヤマ本社にて1 7 S E NTAN