利益相反行為に該当する場合

 利益相反行為に該当する場合について、各活動別に、前提・問題点・ポイント・事例・(詳細事例・参考規定)を表にしましたので、参考にしてください。

 なお、利益相反行為に該当するか否かは状況によって異なりますので、少しでも利益相反行為に該当するかもしれないと不安に思いましたら、すぐに利益相反マネジメント室(窓口:研究協力課産官学推進係)にご連絡ください。


→ 1.兼業
→ 2.外部資金の受入
→ 3.技術移転
→ 4.出資(特に、未公開株)
→ 5.施設、設備の利用


1.兼業

前提 ・報酬の有無に関わらず、継続的に行う業務は兼業であり、事前に兼業承認申請と定期的な報告が必要である
・役員等になるということは、その職務に対する責任を負う
問題点 ・兼業報酬は利益相反行為にあたる可能性を、兼業時間は責務相反行為にあたる可能性を生じさせる
ポイント ・報酬が適正な額であるかに注意する
・大学への責務(勤務時間、教育・研究)と企業等への責務(職務遂行責任)注の両立が重要である
事例 ・兼業先から過大な報酬を受けている
・取締役などを兼業している会社に大学の設備等を無断で使用させる
・兼業先への技術移転を、他と比べて不当に有利な条件で行う
・会社へのコンサルティングなど外部活動により、授業などが影響を受けている
詳細事例 A教授は自己の研究成果を活用して、集積回路の設計・開発等を業務とするベンチャーB社を設立。経営を担当する適当な人材が見つからなかったため、大学の許可 を得て自ら代表取締役に就任した。A教授は通常は大学での勤務時間外にB社の業務に従事していたが、開発した製品に欠陥があることが判明し取引先のメーカーとトラブルになったため、その対応に追われ、たびたび大学での講義を休講にしたり、会議を欠席したりした。
参考規定 職員兼業規程 
職員就業規則
教育研究系有期職員就業規則
非常勤講師の業務等に関する規程

(注)大学発ベンチャー企業における留意点:
教職員が取締役であることから生じる責務相反・利益相反
  取締役には、忠実義務(商法第254条の3)、競業避止義務(同第264条)、利益相反取引(同第264条)などの商法の規定が適用され、常にこれらの義務を課される。この規定に従い、ベンチャー企業の取締役を兼務する教職員が、会社の事業に関係する研究会を催したり、自分の所有する知的財産を他企業に移転させたり、個人として他企業との共同研究を行う場合には、会社に事前に報告し、取締役会の承認を受け、事後の状況報告義務が課される可能性がある。国立大学法人との共同研究等業務は、事前に役員会の承認を受け、事後の報告義務が課される可能性がある。




2.外部資金の受入

前提 ・外部資金とは、①共同研究費②受託研究費③奨学寄附金、の3つに分類される
・外部資金の受け入れ前に申請をする
問題点 ・共同、受託研究費を受けている企業に係る個人的利益は利益相反行為と見られる可能性が高い
・奨学寄附金の見返に特許等を付与していると利益相反行為の可能性が高い
ポイント ・個人的利益のある先との契約、特許の取扱いは注意する
・外部資金を受けている企業の株を取得する場合は注意する
事例 ・奨学寄附金や共同研究費等を受けている会社の技術評価をする際に、その会社に有利な評価をする
・共同、受託研究費を受けている企業の株を大量に保有している(もしくはこれから購入する)
参考規定 民間機関等との共同研究取扱規程 
受託研究取扱規程

 

3.技術移転

前提 ・特許の実施許諾などは大学の判断による
問題点 ・個人的利益のある先への実施許諾について利益相反行為の可能性が生じる
ポイント ・実施許諾などの審査時点で、相手企業の株式保有等、個人的利益がある場合は、その旨を開示し、事前に相談する
事例 ・奨学寄附金を受けている会社への特許等の優先的な技術移転
・兼業先への技術移転を、他と比べて不当に有利な条件で行う
参考規定 実施許諾等取扱規程
職務発明等取扱規程
研究成果物取扱規程
研究試料取扱規程




4.出資(特に、未公開株)

前提 ・兼業規程・倫理規程などにおいては、役員を除き、教職員が株取引等を報告する必要がない
・会社が成功しなければ、資金的負担であるが、成功し、会社が公開などすれば、多額のキャピタルゲイン(株式売却益)を得る
・特許の実施許諾などは大学の判断による
問題点 ・多額のキャピタルゲインを得たいがゆえに、技術評価や研究内容がゆがめられていないかとの疑念を世間にもたれる
・キャピタルゲインの額が大きくなりがちであるがゆえに、一般に興味を引きやすい
ポイント ・上記以外でも、利益相反行為に当たる可能性がある場合には、事前に相談をする
事例 ・株式を保有している会社の技術評価をする際に、その会社に有利な評価をする
詳細事例 X大学のA教授は自己の研究成果の事業化を図るため、ベンチャー企業B社を設立。A教授は発行済み株式総数の3割を保有し、かつ研究開発担当の取締役に就任した。A教授は自己の個人有特許について、契約に責任のある地位であることを利用してB社と実施契約を締結しており、それを元にした製品開発に成功し、売り上げを順調に伸ばした。
その後B社はこれを主力製品として株式公開に成功、A教授は保有していた株式を売却し多額のキャピタルゲインを取得した。
参考規定 倫理規程


5.施設、設備の利用

前提 ・共同研究等による正式な契約に基づく利用については問題ない
・施設設備は、大学の資産であるため、外部者への利用の許諾には大学の許可が必要
問題点 ・外部に対する便宜であるため、その相手方との間で個人的利益関係があると個人的利益を優先していると見られがちである
ポイント ・共同研究の契約を締結する際には、施設・設備の利用に関する内容を明確にしておくか、事前に各所属部署に相談してください
事例 ・取締役などを兼業している会社に大学の設備等を優先的に使用させる
参考規定 民間機関等との共同研究取扱規程
受託研究取扱規程