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ドキ★ワク先端科学

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~読売新聞寄稿連載「ドキ★ワク先端科学」から~

第13回:理事・副学長 物質創成科学研究科 片岡幹雄教授    [2014年11月4日]

「ひとりでに折り畳む謎」

末次志郎教授

 

タンパク質の形のイメージ図。一つ一つが複雑な形に折り畳まれており、もつれてしまうと、病気を引き起こすこともある
  • タンパク質の形のイメージ図。一つ一つが複雑な形に折り畳まれており、もつれてしまうと、病気を引き起こすこともある

私たちの体をマシンに例えると、眼は超高感度の光センサー、筋肉はリニアモーター、脳は考えたり記憶したりするコンピューターといったところでしょうか。

ただし、普通のマシンではありません。人が作った機械なら、古くなれば産業廃棄物になりますが、私たちの体は傷つけば自ら修復しますし、不要な部品は再利用することもあります。おまけに、1日に必要とするエネルギーはわずか3000キロ・カロリーの省エネ設計。そんなマシンを作り出すのは科学技術の夢の一つです。

私たち人間をはじめ、あらゆる生物を動かしているのは、タンパク質でできた「分子機械」です。これは一つでも立派に機能を果たす分子のことで、例えば、筋肉の収縮は、アクチンとミオシンという分子機械が滑り合って起きます。そういった機械の基となるタンパク質の形や働きを理解することは、夢を実現する第一歩となります。

タンパク質は、アミノ酸と呼ばれる物質が鎖状につながってできています。私たちの体に欠かせない栄養素としてもおなじみですね。

アミノ酸の並び方は、タンパク質ごとに遺伝情報によって決められています。さらに、一本の鎖であるタンパク質は、ひとりでに複雑な形に折り畳まれます。この形がポイントで、正しい形をとらなければ、タンパク質は働きません。けれども、鎖なので時々は間違った折り畳み方をします。

普通はもとの形に戻りますが、まれにもつれることがあります(図)。この、めったに起きないタンパク質のもつれ(アミロイドと呼びます)が原因でアルツハイマー病を発症します。

私たちは、アミノ酸がなぜひとりでに折り畳まれるのか、それにより働きがどう決まるのかを調べています。これまでに、アミノ酸の中に、形を決めるパーツ、働きを決めるパーツ、それらをつなぐパーツがあることを発見し、これらのパーツを取り出すことに成功しました。また、形の似ているタンパク質の間で、働きを決めるパーツを交換して、働きを変えることにも成功しています。

形を決めるパーツに細工することで、あるタンパク質がアミロイドになるのを防ぐ方法も見つけており、アルツハイマー病の予防に結び付けたいと考えています。現在は、これらの結果を応用して、人工の光受容タンパク質(光センサー)を作ることに挑戦しています。

 


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