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ドキ★ワク先端科学

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~読売新聞寄稿連載「ドキ★ワク先端科学」から~

第28回:物質創成科学研究科 谷原正夫教授 [2015年8月18日]

「夢の再生医療 土台築く」

谷原正夫教授

 

骨を作るために作製した足場材料。印の部分が骨になっている
  • 骨を作るために作製した足場材料。印の部分が骨になっている

山中伸弥・京都大教授が世界に先駆けて作製し、ノーベル賞を受賞したiPS細胞(人工多能性幹細胞)。この細胞を使って、目の網膜の病気「加齢黄斑変性」を治療する試みが、昨年、理化学研究所の高橋政代・プロジェクトリーダーによって始められました。

これは日本で初めてのiPS細胞による本格的な再生医療です。機能を失った「網膜色素上皮細胞」を取り除き、その代わりに、患者自身の細胞を基にiPS細胞から作っておいた新たな上皮細胞を眼球内に移植するものです。患者自身の細胞に由来するので、拒絶反応もなく安全性が高いと考えられます。

今回使われる上皮細胞はシート状の平面的な形です。しかし、今後、骨や神経、臓器などの再生には、細胞を支える立体的な“足場”が必要になってきます。その足場にふさわしい材料の研究が私たちのテーマです。

作製に当たっては、できるだけヒトの組織に似た構造と性質を持つようにして、生体になじみやすくする工夫をします。また、動物やヒトから取った材料をそのまま使うと病原体が混入してしまう恐れがあるので、化学的に合成できる素材を用います。

例えば、タンパク質を構成するアミノ酸を原料として作った人工コラーゲンや、時間が経つと分解されてなくなる酵素合成アミロースなどがあります。

私たちは、これらを材料として、ユニークな性質を持ったさまざまな足場を開発しています。例えば、細胞が接着する強さを自在に変えられたり、室温では液体で体温に近い温度になると固体になったり、そして光を当てた部分だけが固体に変化したりといった性質です。

これらの性質をうまく使い、iPS細胞を足場に均一に分布させれば、目的とする臓器とよく似た形にすることができます。

私たちが目指すのは夢の再生医療。実現できる日は、着実に近づいています。


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