奈良先端科学技術大学院大学 研究推進機構 研究推進部門

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ごあいさつ

2004年に国立大学は独立行政法人化された。これはアメリカ合衆国に習って大学の自立性を促すものであり、文部科学省は運営費交付金以外の資金配分方式を変えた。科学研究費補助金に代表される個々の研究資金は、従来から競争的配分であったが、これに加えて大学あるいは部局として取り組む事業の資金も競争的配分となった。競争的配分においては、申請提案が篩い掛けられる。これにより競争原理が働き資金の有効活用が期待される。しかしながら、申請書作成、ヒアリング対応、報告書作成など、大学教員に大きな負荷を強いる結果となった。大学教員は研究と教育が本来の職務であり、この力を削ぐことは好ましくない。そこで文部科学省は、アメリカ合衆国において60年の歴史があるresearch administrator (RA) 制度に目を付けた。大学の機能は、研究を根幹としそれを教育へさらに社会貢献と発展させることにある。これらの実施母体は大学教員であり、それをサポートするのが従来型の大学事務局であった。研究・教育を大学経営・運営の一環と位置付け、そこに生じる実務をRAが担う。文部科学省は2013年より、「研究大学強化促進事業」 としてRA制度導入を支援し、本学もこの対象となった。世界最高水準の大学として、この実働および研究展開に結びつく活動を研究推進部門が担当する。

私は生物が生命を維持する分子機構に興味があり、研究材料として植物を選んだ。研究はオンリーワンであり結果的には世界最高水準であるべきだ。そこで、ポストドックとしては、1983年において世界最先端の研究が進展していたハーバード大学生物学教室を選んだ。そこでの仲間は私の貴重な世界的ネットワークとなっている。その後、名古屋大学さらに静岡県立大学に職を得た。静岡県立大学においては、2002年から2012年に渡る文部科学省 「COEプログラム」 をコア・メンバーとして支え、2005年より2019年まで、専攻長、研究科長、研究院長、学府長、副学長を務めた。この間、運営費交付金の継続的削減の中、教員のモーティベーションの統合と大学としての資金獲得が私の所掌事項であった。定年退職後は、教員時代の知財を事業化する会社を立ち上げた。これらの経験を本学の発展に役に立てたいと思う。皆様のご協力とご支援をお願いしたい。


研究推進部門長
小林 裕和