令和4年度、奈良先端科学技術大学院大学に入学されました皆様、誠におめでとうございます。心よりお祝いを申し上げます。

 皆様がこれから学びの場とされる奈良先端科学技術大学院大学は、創造的かつ国際的な学術研究の新たな展開を目指す「関西文化学術研究都市」に立地し、世界に広く認知された教育拠点として、最先端の教育研究と新産業創出の中枢としての役割を担っておられます。

 昨年は、塩﨑一裕学長のもと、創立30周年を迎えられました。 今後、 IoTやAI が人々の生活に浸透し、 今までにない新たな価値が生み出される社会の実現に向け、貴学で学ばれる皆様が担う役割は、ますます重要になってくると期待しております。

 一方で、新型コロナウイルス感染症は、拡大から2年余を経て、 今なお収束には至っておりません。入学されました皆様の中には、これからの教育環境研究活動に多少不安をお持ちの方もおられるかと思いますが、このコロナ感染症を乗り越えていく経験は、皆様にとって、科学技術の価値や社会 ・ 経済のあり方について考え、イノベーションを創出する契機になるものと確信しております。

 さて、改めて申すまでもありませんが、貴学は、 2018 年に全学を単一の先端科学技術研究科に統合することで、 相異なる専門分野を結集して、 SDGsなど世界的な課題に挑戦するイノベーションと人材を生み出すための基盤を整えられ、 さらに2030年を見据えて「先端科学技術で未来を共創する大学」を目指しておられます。
 様々な分野の最新科学技術を理解し、 個々の専門性だけではなく、 広い視野や柔軟な発想、統合性、創造性を持つ人材、 そして将来の科学技術の発展を支え、貢献される人材が育成されることを期待しています。

 本日、入学されました皆様におかれましても、 この使命に応えるため、 素晴らしい環境のもと、 持てる力を存分に発揮し、 互いに切磋琢磨しながら研究活動に精励いただきたいと思います。

 結びに、 本日の佳き門出を改めてお祝い申し上げますとともに、 ご列席の皆様方のますますのご健勝とご活躍を祈念申し上げ、 お祝いの言葉といたします。

令和4年4月5日
奈良県知事 荒井 正吾