Race / Nanocar Race II / Franco-Japanese Team

第2回国際ナノカーレース

- 2022年3月24-25日 フランス・トゥールーズ -

Franco-Japanese Team

ナノカーレース

「国際ナノカーレース」は、分子マシンの開発を進めている欧州の大型プロジェク「MEMO」が開催するもので、2017年の第1回もトゥールーズで行われ、 日本、欧米などの6チームが参加しました。今回は、前回よりも進化したナノカーでエントリーすることが必要で、外部入力の方法も走査型トンネル顕微鏡(STM)以外にも光(レーザー光)など多様になり、 推進力も車輪や羽ばたき以外の設計が増えることが予想されます。

レースのイメージ


このレースに出場できるナノカーは原子100–1,000個からなる全長数ナノ(10億分の1)メートルの大きさで、前部と後部が識別できる形を持つ必要があります。 走査型トンネル顕微鏡の尖った探針を近づけて電気を与えるなど非接触で外部からエネルギーもらって動かします。分子のデザインは車輪をはじめ、羽ばたくタイプなど様々です。 これらのナノカーが超低温高真空の環境で、遠隔操作により、金属の表面のスラロームなどを走ります。このほか、常温常圧で行う競技もあります。 レースの模様はインターネットでライブ中継され、前回(2017年)は10万人を超える視聴者が観戦しました。

分子マシンの研究は、生体分子が生命活動の中で行っている精緻な作業や、ナノテクノロジーに必要な超微細な加工処理の技術などを、人工的に作った分子を機械的に操作することで実現するものです。 2016年には、この分野の科学者にノーベル化学賞が授与されました。生体内で医療活動するなど夢の分子として期待されるナノマシン(分子機械)の可能性を拓くための競技でもあります。