印刷で高品質なシリコンゲルマニウム半導体を実現 ~超高効率多接合太陽電池の飛躍的な低コスト化に貢献~

研究成果 2022/09/13

印刷で高品質なシリコンゲルマニウム半導体を実現
~超高効率多接合太陽電池の飛躍的な低コスト化に貢献~

概要

 国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院工学研究科の福田 啓介 博士前期課程学生(研究当時)、宮本 聡 特任講師、宇佐美 徳隆 教授は、大阪大学大学院工学研究科・東洋アルミニウム半導体共同研究講座のダムリン マルワン 特任教授(東洋アルミニウム株式会社シニアスペシャリスト)、東北大学金属材料研究所の藤原 航三 教授、奈良先端科学技術大学院大学の浦岡 行治 教授らとの共同研究で、東洋アルミニウム株式会社の独自技術により作製される特殊なペーストをシリコン単結晶基板に印刷して熱処理を行うことで、高品質なシリコンゲルマニウム半導体注1)を非真空で実現することに成功しました。

 本研究成果は、超高効率多接合太陽電池注2)の低コスト化の貢献に期待できます。 宇宙用の超高効率多接合太陽電池では、ゲルマニウム基板の上に複数の化合物半導体薄膜太陽電池を重ねることで高いエネルギー変換効率を実現しています。しかし、ゲルマニウム基板が製造コストの50%以上を占めており、地上での利用に向けては安価な材料で代替することが課題となっていました。そこで本研究は、アルミニウムとゲルマニウムの合金を含む特殊なペーストをシリコン基板上に印刷し、わずか数分間の熱処理を行うことで、高品質なシリコンゲルマニウムの膜を実現しました。安価なシリコン基板上に作製されたシリコンゲルマニウム膜を、化合物半導体の基板として利用することで、超高効率多接合太陽電池の製造コストを1/10以下にすることが期待されます。

 本研究成果は、2022年9月12日午後6時(日本時間)付イギリスのNature Research社が発行する自然科学誌「Scientific Reports」に掲載されました。 本研究は、日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究(A)、東北大学金属材料研究所における共同研究のもとで行われたものです。

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問い合わせ先

研究に関すること

    • 東海国立大学機構 名古屋大学大学院工学研究科
      教授 宇佐美 徳隆(うさみ のりたか)
      TEL:052-789-3620 FAX:052-789-4516 E-mail:usami.noritaka@material.nagoya-u.ac.jp
    • 大阪大学大学院工学研究科 東洋アルミニウム半導体共同研究講座
      特任教授 ダムリン マルワン
      E-mail:dhamrin-marwan[at]jrl.eng.osaka-u.ac.jp
    • 東北大学金属材料研究所
      教授 藤原 航三(ふじわら こうぞう)
      E-mail:kozo.fujiwara.c6[at]tohoku.ac.jp
    • 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 物質創成科学領域
      教授 浦岡 行治(うらおか ゆきはる)
      E-mail:uraoka[at]ms.naist.jp

報道に関すること

  • 東海国立大学機構 名古屋大学広報室
    TEL:052-789-3058 FAX:052-789-2019 E-mail:nu_research[at]adm.nagoya-u.ac.jp
  • 大阪大学 工学研究科総務課評価・広報係
    TEL:06-6879-7231 FAX:06-6879-7210 E-mail:kou-soumu-hyoukakouhou[at]office.osaka-u.ac.jp
  • 東北大学金属材料研究所 情報企画室広報班
    TEL:022-215-2144 FAX:022-215-2482 E-mail:press.imr[at]grp.tohoku.ac.jp
  • 奈良先端科学技術大学院大学 企画総務課 渉外企画係
    TEL:0743-72-5026/5063 FAX:0743-72-5011 E-mail:s-kikaku[at]ad.naist.jp
  • 東洋アルミニウム株式会社 コーポレート部門経営管理ユニット法務・広報チーム
    TEL:06-6271-3186 FAX:06-6245-4696 E-mail:public-relations[at]toyal.co.jp

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