奈良先端科学技術大学院大学(学長:塩﨑 一裕)の白井 達也さん(博士後期課程)、柏 祐太郎准教授、飯田 元教授と、大阪大学(総長:熊ノ郷 淳)大学院情報科学研究科のOlivier Nourry助教(コンピュータサイエンス専攻)、奈良女子大学(学長:高田 将志)の藤原 賢二講師、九州大学(総長:石橋 達朗)の亀井 靖高教授らの研究グループは、Googleが運用するオープンソースソフトウェア(以下、OSS)向け継続的ファジングサービス「OSS-Fuzz」から収集した約112万件のファジングセッションを分析し、継続的ファジングがソフトウェアのバグ発見にどのように寄与するかを定量的に明らかにしました。
研究グループは、OSS-Fuzzに参加する878のOSSプロジェクトを対象に、ファジングの実行履歴、検出されたバグ、コードカバレッジ(コード網羅率)の変化を解析しました。その結果、(1) 約36%のプロジェクトが導入直後の初回セッションでバグを検出していること、(2) コードカバレッジが継続的ファジングの実施とともに増加し続けること、(3) コードカバレッジの変動がバグ検出と強く関連していること、(4) 開発者が提供するシードコーパス(初期入力データ)が長期的なバグ検出に寄与すること、を見出しました。
本成果は、現代社会の基盤となっているOSSの開発者がいつ、どのようにファジングを導入・運用すべきかについて、データに基づく具体的な指針を提供するものであり、より安全なOSS開発・サイバーセキュリティ強化への貢献が期待されます。
本研究成果は、ソフトウェア工学分野で国際的影響力の高い学術誌 IEEE Transactions on Software Engineering に2026年4月13日(月)に公開されました(DOI:10.1109/TSE.2026.3683879)。