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アカデミックアシスタント制度を利用して

宮島 俊介 助教 ・古田 かおり 研究員
・バイオサイエンス研究科 植物発生シグナル研究室(中島ラボ)

AA乾奈布子さん
~今回お話を伺うバイオサイエンス研究科の宮島俊介先生と古田かおり先生は、同じ研究室に所属されているご夫婦で、2歳と0歳2ヶ月の2人のお子さんがおられます。本学のアカデミックアシスタント(AA)制度では、通常、一人の研究者に一人のAAが配置されるのですが、宮島先生と古田先生には、夫婦に対して一人のAAの配置をしました。~

●AAについて
宮島・古田/平成26年度はAAとして乾さんに勤務していただきました。もともと本学で技術職員の経験が7年間あった方だったので、当初からお願いした仕事を的確にこなしてもらえて大変助かりました。私たちは、研究で取り扱う遺伝子は異なるのですが、必要となる実験材料やテクニック、遺伝子組み換えの作業は同じなので、乾さんには私たち二人の研究に共通する業務をしてもらいました。彼女には、本年度もAAとして引き続き勤務してもらっています。

●AA制度へのご意見
宮島・古田/科研費などは実験をする際の消耗品などに利用していますので、今後もAA制度による支援を受けることができれば、たいへん助かります。また、今のAA制度では時間給額が一律に設定されているので、雇用する方の知識・経験によってフレキシブルな段階を設定できるといいと思います。さらに、AAの申請時期が雇用開始の直前なので、たとえば2か月くらい早めに申請時期を設定してもらえればと思います。

●研究について
宮島/バイオ分野における研究は、工場の稼動時間が長ければ長いほど生産性が上がるのと同じで、研究のための様々な下準備をどれだけできるかが研究を進める上での基礎になります。
 この下準備には、種をまく、種を回収するなどの単純作業から、分子生物学的手法を用いたものまで、色々ありますが、これらの作業はラボで行わないと進まず、ラボでどれだけ作業をできるかが研究成果に直結します。
古田/他の研究分野であれば、自宅で作業を行うことにより研究を進めることができるかもしれませんが、私たちが行っている遺伝子組み換え作業に必要な道具は、法律上、持ち帰ることができません。

●育児と研究活動の両立
古田/今年6月に2人目を出産し、現在は育児休業中ですが、9月には復帰を予定しています。乾さんがいるから、いま、安心して休むことができ、育児に専念しようと思えます。もし乾さんがいなかったら、育児休業をとることも、育児に専念することもできないと思うので、乾さんは私たち夫婦にとって欠かせない存在です。
宮島/私は保育園に預けている上の子のお迎えのために、17時にいったん帰宅し、家事・育児をしてから、夜遅くに研究室に来て作業し、朝方まで作業してまた家に帰る生活をしています。家で育児している間にも、他の研究者は作業を進めているので、その分、私の研究は遅れをとることになります。競争の激しい研究分野なので、乾さんに作業をしてもらうことで、私の研究は回っている部分があると言えます。また、実験でトラブルがあっても私が17時には帰宅してしまうので、学生は困っていると思います。そのため、学生とは、できるだけ日中に顔を合わせられる時間にコミュニケーションをとるように心がけています。
古田/たしかに学生には不満があると思います。でも主人は17時にいったん帰宅するけれど、そのあとラボに戻って仕事している姿を学生に見せています。不満はあるけれども、先生もがんばっているんだなと思って研究室が回っている部分はあると思います。
宮島/これからの世の中、子どもを育てながら仕事をするとは、こういうことだと見てもらうのは学生にとってもいいのかもしれないですね。僕らの親の世代は、お父さんが仕事してお母さんが家にいてっていうモデルが典型だったから。
 私たちは2011年にフィンランドのヘルシンキ大学で出会って、一人目の子どもを授かり、フィンランドで出産と育児を経験して日本に帰ってきました。フィンランドでは両親二人に対して1年間の育児休暇があり、先に母親が6か月、後で父親が6か月取得するというのがよくあるパターンでした。初めて子どもを持ったのがフィンランドだったので、抱っこ紐をしてスーパーにいくことを含めて「これくらい育児するものだ」という刷り込みがありますね。
古田/ずっと日本にいたら周りに合わせてしまっていたと思います。

●AA制度を利用して
古田/出産や育児のために研究ができないというフラストレーションはあるけれども、乾さんがAAとして勤務してくれているから、少しずつでも作業が進んでいると思うと心強かったです。 また、私たちのラボには女子学生がけっこういるので、子どもを産んでも働けることを学生たちに見せていこうと思っています。ここで私がちゃんとしないと続く女子学生が希望を持ちにくいかもしれないと思うので、できるだけがんばろうと考えています。
(平成27年9月)

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