[プレスリリース]バイオサイエンス研究科の池田陽子特任助教、木下哲特任准教授の研究グループが、鍵のかかった遺伝子の活性化に必要な新たな因子の同定に世界で初めて成功(2011/09/13)

研究成果 2011/09/14

生物の遺伝情報はDNAの長い鎖状の分子に含まれる4種類の塩基(シトシン、アデニンなど)を文字のように組み 合わせて刻まれていて、個々の遺伝子はそれぞれの塩基の組み合わせにより決められます。ところが、特定の塩基(シトシン)にメチル基が結合(メチル化)し て、タグのように目印をつける分子(メチルシトシン)ができると遺伝子は使われず、逆にこの分子をはずす(脱メチル化)と活発になります。このことから、 メチルシトシンは遺伝情報の「5番目の文字」として世界的に注目されています。

なかでも、この分子をはずして遺伝子を活性化する遺伝情報 書き換えの仕組みについては大きな謎とされていましたが、本学バイオサイエンス研究科 植物生殖遺伝学研究グループの池田陽子特任助教、木下哲特任准教授の研究グループは、この反応に関わる酵素を助ける不可欠な因子(タンパク質)の同定に世 界で初めて成功しました。このタンパク質はヒトをはじめ動植物、菌類まで保有しており、進化の上で共通に存在する因子であることも明らかになりました。

今後、この新たな因子が見つかったことで、遺伝情報書き換えの仕組みが急速に明らかになることが期待されます。また、本来使われていない遺伝子を活性化させ、有用な作物を作りだすなどの応用が期待されます。

この成果は平成23年9月12日(月)付けの米国科学雑誌Developmental Cell(Cell Press社)のオンライン版に掲載されました。

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