学位記授与式を挙行(2011/12/22)

イベント報告 2011/12/27

12月22日(木)、事務局棟2階大会議室において学位記授与式を挙行しました。

2名の修了生に対して、磯貝学長から出席者一人ひとりに学位記を手渡し、門出を祝して、式辞を述べました。

式終了後には記念撮影も行われ、修了生たちは和やかな雰囲気のもと、学長、理事をはじめ指導教員等を交えて歓談し、喜びを分かち合っていました。

※ 今回の修了生の内訳は、以下のとおりです。

【博士前期課程修了者】
バイオサイエンス研究科 1名
計 1名

【博士後期課程修了者】
バイオサイエンス研究科 1名
計 1名

総計 2名

【磯貝学長式辞】

本 日、平成23年度第3回目の学位授与式にあたり、博士前期課程、後期課程をそれぞれ修了されるお二人に、本学教職員はじめ、全ての構成員を代表してお祝い を申し上げます。お二人にお渡しした学位記は、それぞれの学位に相応しい知識と能力を持っているという認定の証しです。お二人のこれまでの努力に学長とし て敬意を表したいと思います。

本学はこの10月1日に創立20周年を迎えましたが、これまでの多くの方々の努力によって、本学の社会的な 認知度と評価は高まってきました。そして、今は、この20周年を機に、国際的にも認知される大学を目指して、新たな20年の歴史を刻むための努力をしてい こうという段階であります。お二人にはこうした優れた大学を修了したのだということに、誇りを持っていただきたいと思います。

お二人を含 めて本学が開学以来これまでに与えてきた学位の数は、修士5233名、課程博士1001名、論文博士39名であります。今日修了されるお二人には、日本や 世界で活躍している本学修了生の一員として、これから社会の色々な分野で活躍されていくことを期待しています。

さて、修了式にあたり、少 しお二人にはなむけの言葉を贈りたいと思います。今年も色々なことのあった年でした。特に、3月11日の東日本大震災は、地震と津波だけでなく、原発事故 という大きな災害を発生させました。今なお、こうした事故のため、普段の生活に戻れない方々が多くおられます。それらの方々が、再び夢を持って生活が出来 る日が一日も早く来ることを祈っております。また、そのために、私たちが学んできた科学技術が役立つことも期待したいと思っています。

こ うした問題と別に、10月末に、国連人口基金(UNFPA)は、2011年の世界人口白書を発表しました。それによると世界人口は10月31日に70億人 に達する、そして2050年には93 億人になり、21世紀末には100億人を超えると見込まれるということです。これらの増える人口の主要部分は、アジアやアフリカのこれから発展していこう としている国々であります。それらの人々が今の先進国の人々の生活と同じレベルの生活を営もうとしたとき、当然、食糧、水、資源、エネルギー等が不足する ことが予想されます。それらの地球規模の課題にどう対応していくのか、科学技術がどうした役割を担わなければいけないのか、それがこれからの社会の中で問 われていくことになります。これはモデルのない国や世界の作り方ということになるでしょう。それには、これからの時代を背負う若い力が必要なのです。

私 は、本年3月の修了式で、「若い力が時代を開く」として、若いときに大きな仕事をした著名な科学者や技術者を挙げました。その中の一人が、この10月に亡 くなったスティーブ・ジョブズ氏であります。ご存知のように、ジョブズ氏は21才でアップルコンピュータを作り、この世界に文字通り革命を起こしてきまし た。そのジョブズ氏が2005年に、アメリカのスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチは「Stay hungry. Stay foolish」という言葉で結ばれています。「若者よハングリーであれ、愚かであれ」ということです。いい言葉だと思います。若者の特権や責任とは何で しょうか。それはこれからの人生は長いということでしょう。そして、今は、今のまま続くはずはないのです。こうした人生を生きるためには、常に今だけでな く、先を見なければいけません。それは、今に満足しないで、常に未知の何かを求めていくという心でしょう。それがハングリーであれということではないで しょうか。また、若者は人生経験がまだ浅い、知らないことが沢山あるということを、堂々と言えることも特権の一つだろうと思います。時には愚鈍であって も、何かを知らないところから始めるのは当たり前だということは、大事なことです。そこに何か新しいものを見つけるきっかけがあるというのでしょう。そう した経験を積む中で、育っていくのが若者の特質なのです。その意味で生涯学習という言葉があるのだと思います。大学院を終わったから、勉強はおしまいなど と思わないでください。お二人は、これからの長い人生での学習のスタートラインに立ったに過ぎないのです。そうした学習をする際、本学で学んだ、学びの 心、学びの作法、そして学びの智恵を思い出してください。本学がお二人に与えられるのは、それだけかもしれないのです。
 
お二人のこれからの人生が豊かで意義深いものであることを祈って、はなむけの言葉と致します。

おめでとう。

平成23年12月22日
奈良先端科学技術大学院大学 学長 磯貝 彰

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