平成28年度学位記授与式を挙行(2016/12/22)

イベント報告 2017/01/04

 12月22日(木)、事務局棟2階大会議室において学位記授与式を挙行しました。

 授与式では、小笠原学長から出席した6名の修了生一人ひとりに学位記を手渡し、門出を祝して、式辞が述べられました。

 式終了後には記念撮影も行われ、修了生たちは和やかな雰囲気のもと、学長、理事をはじめ指導教員等を交えて歓談し、喜びを分かち合いました。

※ 今回の修了生の内訳は、以下のとおりです。

【博士後期課程修了者】
 情報科学研究科      2名
 バイオサイエンス研究科  3名
 物質創成科学研究科    3名
 計 8名

【論文提出による博士学位取得者】
 博士(バイオサイエンス) 1名

◆総計 9名

【学長式辞】

 本日、博士の学位を授与された皆さん、おめでとうございます。

 皆さんの学位論文研究は、本学にふさわしい、各分野で新しい可能性を切り開くものであることを、学長として喜ばしく思います。

 さて、今、科学技術が大変革の時代にあり、世界は変わりつつあります。

 特に、ICT技術の発展は急速です。あらゆるものがネットワーク化されることにより、「サイバー世界」と「実世界」が融合した、必要なもの・ことを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供でき、社会の様々なニーズに対し、きめ細やかに、かつ、効率良く対応できる「超スマート社会」ともいうべき社会が展望されています。

 また、ICT技術は科学技術の発展の駆動力にもなりつつあります。ライフサイエンスの分野ではデータ駆動型サイエンスという新しいパラダイムが生まれ、物質科学の分野でもマテリアルズインフォマティックスという言葉も登場しています。例えば、人の疾病や健康に関係するゲノム配列の多様性について、膨大なデータが蓄積しつつあり、AI技術により、それから患者さんの病因や治療の指針についての情報を迅速に得ることが現実的な課題となっています。

 皆さんは、本学の人材育成におけるミッションである、科学技術の進展に柔軟に対応し、常に新しい分野を開拓し続けることのできる人材として、新しい科学技術の創造と活用に、主体的に取り組んでいっていただきたいと思います。

 そのために、皆さんに求められていることは何でしょうか。最近、機会がある毎に紹介しているのでが、文部科学省の委員会の報告書にある、以下の文章を是非紹介したいと思います。

 知のフロンティアが急速に拡大している現代において、研究者に求められていることは、何よりも知を基盤にして独創的な探究力により新たな知の開拓に挑戦することであり、研究者は常に自らの研究課題の意義を自覚し、明確に説明しなければならない(挑戦性)。新たな知の開拓のためには、学術研究の多様性を重視し、伝統的に体系化された学問分野の専門知識を前提としつつも、細分化された知を俯瞰し総合的な観点から捉えることが重要である(総合性)。また、異分野の研究者や国内外の様々な関係者との連携・協働によって、新たな学問領域を生み出すことも求められる(融合性)。さらに、世界の学術コミュニティーにおける議論や検証を通じて研究を相対化することにより、世界に通用する卓越性を獲得し、世界に貢献する必要がある(国際性)。

 私は、本学での専門知識の習得はもちろんですが、学位論文研究を通して身につけた、課題を発見し、その解決法を考え、実践し、その結果を評価し、様々な人と議論し、論文にまとめるという経験、そして、本学で築いた様々な人的ネットワークが、皆さんの今後の創造的な生活を保証していると確信しています。

 また、奈良先端大の役割は、皆さんを社会に送り出したことで終わるのではなく、変化して行く科学技術・社会の中で、皆さんが持続的にクリエイティブな生活を送ることができるように、修了生の方々との持続的な関係を構築して行くことも重要な役割であると教職員は考えています。

 皆さん、おめでとうございます。今後の活躍を期待するとともに、今後も奈良先端科学技術大学院大学は、皆さんの活躍を支援していきたいと思います。

平成28年12月22日
奈良先端科学技術大学院大学長 小笠原直毅

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