令和2年度 学位記授与式を挙行(2020/12/22)

イベント報告 2021/01/05

 12月22日(火)、新型コロナウイルス感染防止対策を実施の上、学際融合領域研究棟2号館1階 研修ホールにおいて学位記授与式を挙行しました。

 授与式では、横矢直和学長から出席した4名の修了生に学位記を手渡し、門出を祝して式辞が述べられました。

 修了生たちは和やかな雰囲気のもと、学長、理事をはじめ指導教員等を交えて歓談し、喜びを分かち合いました。

※ 今回の修了生の内訳は、以下のとおりです。

 【博士後期課程修了者】

  情報科学研究科       4名 (うち留学生3名)

  先端科学技術研究科     3名

  計 7名 (うち留学生3名)

【学長式辞】

 本日、博士の学位を授与された7名の皆さん、学位取得、おめでとうございます。
 7名のうち3名は、母国を離れ奈良先端大での勉学と研究の道を選ばれた海外からの留学生です。

 皆さんの修了で、本学創設以来の学位取得者数は、修士8,362名、博士1,739名となりました。この延べ10,000名余りの修了生の中には、修士384名、博士363名の留学生の方々がおられ、本学のグローバル化を実感します。

 今年の1月下旬に、日本で初めて新型コロナウイルス感染が確認されてから徐々に全国に感染拡大が及び、感染爆発が危惧される事態となりました。4月上旬には一部地域に「緊急事態宣言」が発出され、4月中旬には対象地域が全都道府県に拡大されたことから、奈良県も1か月近くに亘って緊急事態宣言が続くこととなりました。このため、本学での活動も様々な制約を受けることになりました。

 この感染症禍はいまだ収まっておらず、感染者は全国的に、むしろ増加傾向にあり、感染拡大の第3波が到来しています。本日の学位記授与式も、参加者の制限に加えて、感染防止策を徹底した上での開催となりました。

 まさに百年ぶりの世界的な感染症禍です。このような状況の下で、博士学位論文研究に取り組み、本日を迎えられた皆さんの努力に心から敬意を表します。

 皆さんは、これからプロの研究者・技術者としての一歩を踏む出すことになりますが、現在、科学技術はかつてない大変革の時代にあります。最近の科学技術の変化の大きな特徴は、人工知能(AI)、Internet of Things(IoT)、データサイエンスといった情報関連技術の革新が牽引していることです。

 この変革は、情報科学以外の科学技術分野への波及が顕著になっています。例えば、バイオサイエンス分野では従来からバイオインフォマティックス(Bio-Informatics)と呼ばれる研究領域が存在していますが、物質科学の分野でもマテリアルズインフォマティックス(Materials Informatics)と呼ばれる新しい研究領域の存在感が高まっています。

 すなわち、ネットワークを介して世界中からアクセス可能な大規模データの解析に基づく、データ駆動型サイエンスあるいはAI駆動型サイエンスと呼ぶべき新しい研究パラダイムが生まれているのです。

 様々な分野での科学技術の変革は、当然、社会にも大きな変化をもたらすことになります。2040年代には、コンピュータの能力が人間の能力の総和を越え、シンギュラリティ(Singularity)に到達し、その頃には、現在、存在している職業の半分以上がなくなり、新しい職業ができているだろうと言われてきました。今回のコロナウイルス禍を受けて、不確定な要素がさらに増えると思われます。2040年代というのは、皆さんが社会の中核を担う時代です。

 皆さんはこれまで、博士学位論文研究を通して、それぞれの異なる分野で、専門性を磨いてこられたわけですが、これからは、周辺分野にも目を配って広い視野を持つことによって、科学技術と社会の急激な変化に柔軟に対応し、挑戦心を持って常に新しい分野を開拓し、時代を牽引する人材として飛躍して頂きたいと思います。

 皆さんが本学で身につけた、課題を発見し、その解決法を考え、実践し、その結果を評価し、様々な人と議論し、論文にまとめるという能力とその過程での経験は大事な財産です。

 コロナウイルス禍による思いもよらなかった事態に遭遇したことも含めて、苦しいこともあったであろう経験、そして、本学で築いた様々な人的ネットワークが、皆さんの将来を保証すると確信しています。

 奈良先端大の役割は、皆さんを社会に送り出したことで終わるのではなく、変化して行く科学技術・社会の中で、皆さんが持続的にクリエイティブな生活を送ることができるように、修了生の方々との持続的な関係を構築して行くことも重要な役割であると教職員は考えています。

 毎年、秋のオープンキャンパスに合わせてホームカミングデーを実施しています。今後も、このようなイベントを継続したいと思っていますので、その時には、是非、在学生の前にロールモデルとして帰ってきてください。ウイズコロナの時代に加えてポストコロナの時代においても、オンライン参加を併用したハイブリッド型のホームカミングデーを検討すべきだと思っています。

 また、修了生ネットワークの中核である同窓会活動に加えて、インドネシアとタイに設置したサテライトオフィスや海外のNAIST同窓会等を通して世界で活躍する修了生の方々とのネットワークも強化したいと考えていますので、皆さんにもこのような活動に積極的に参加して頂きたいと思います。従来は現地で開催されてきたインドネシアNAIST同窓会総会が、今年は、オンラインで開催され、多くの教職員・学生が学内から遠隔参加しました。このような開催形式の成功は、今後の同窓会活動の在り方に大きなヒントを与えるものです。

 繰り返しになりますが、皆さん、本日は学位取得おめでとうございます。最後に、皆さんの今後の益々の活躍とさらなる飛躍を期待していることをお伝えして、式辞としたします。

令和2年12月22日 

 奈良先端科学技術大学院大学長 横矢直和

NEWS & TOPICS一覧に戻る