令和3年度秋学期入学式を挙行(2021/10/4)

お知らせ 2021/10/07

 10月4日(月)、新型コロナウイルス感染症に対する感染防止対策を徹底の上、本学ミレニアムホールにおいて令和3年度秋学期入学式を挙行しました。

 本学では、国内外を問わず、また出身大学での専攻にとらわれず、高い基礎学力を持った学生あるいは社会で活躍中の研究者・技術者などで、将来に対する明確な目標と志、各々の研究分野に対する強い興味と意欲を持った者の入学を積極的に進めており、このたび、92名の新入生を本学に迎えました。

 また、新型コロナウイルス流行の影響で来日が遅れている新入生を対象に、リアルタイムでのインターネット配信を実施し、50名以上の方にご視聴いただきました。

【入学者数】

(博士前期課程)

  先端科学技術研究科 42名(うち留学生32名)

(博士後期課程)

  先端科学技術研究科 50名(うち留学生40名)

総計 92名(うち外国人留学生72名)

【学長式辞】
 奈良先端科学技術大学院大学の学長として、本学で大学院生としてスタートされる皆さんを心より歓迎いたします。約50人の留学生の方は本日、ここに来ることができませんでしたが、インターネット配信で参加してくださっています。入学者の中には、本学で修士の学位を授与され、引き続き博士の学位を目指すことを決意された方もおられ、大変喜ばしく思います。

 この10月、本学は30周年を迎え、新たな段階に入ろうとしています。皆さんは、本学と共にご自身も新たなステージをスタートするという意味で特別な学年であると言えます。今日から皆さんは「NAISTコミュニティー」の一員となり、私たちと共にさらなる成長を目指していくことになります。

 この「NAISTコミュニティー」は実に素晴らしく、これまで、新型コロナウイルス感染症の発生を最小限にとどめながら、活発な教育・研究活動を継続することに成功してきました。学生、教職員、その他本学の構成員全ての努力の賜物です。さらに、地元生駒市と共に取り組んでいる学内でのワクチン接種も誇るべき成果です。本日、新たに「NAISTコミュニティー」に加わる皆さんにも、自分自身とこのコミュニティー全体を守るための取組みに是非、加わっていただきたいと思います。力を合わせることで、変わらぬ成果をあげていくことができるはずです。

 本学の強みはコミュニティーの強靭さだけではありません。皆さんはこれから、本学が誇る教授陣から学び、そして共に研究をすることになります。本学の教員が行っている世界最先端の研究はそのまま、世界トップクラスの教育の場でもあるのです。

 皆さんは、研究活動が大学院教育の中心となっている理由を考えたことがありますか。科学研究は、様々なスキルや能力を必要とする複合的な活動です。とりわけ、研究活動で身に付けたスキルや能力は、専門分野を問わず、さまざまな場面で役立つということが、重要な点です。このようなスキルや能力を「トランスファラブルスキル」と呼ぶこともあります。

 何か研究プロジェクトを始めるにあたっては、まず研究課題を設定する必要があります。次に、その課題に関連した情報を収集し、それらを評価するスキルが求められます。さらに検証可能な仮説を立てる能力も必要です。その上で、仮説を検証するための実験などを設計・実施し、その結果を解釈して、自らの仮説を評価することができなければなりません。これらに加えて、自分の研究を広く公開し、他者と議論するためには文章力や口頭でのコミュニケーション能力も必要です。

 以上のようなスキルや能力を身に付けることはとても重要ですが、残念ながら現代においてはこれでもまだ充分とは言えません。

 COVID-19、地球温暖化、SDGs等の地球規模の課題を解決するために、次世代のイノベーターやリーダーが必要とされています。世界は皆さんを待っているのです。現在、私たちが直面している複雑な課題を解決するためには、総力を結集してイノベーションを起こすことが必要です。

「イノベーション」という概念を初めて定義したのはオーストリアの経済学者、ヨーゼフ・シュンペーターです。彼は、世界に最も影響を与えた20世紀の経済学者の一人です。興味深いことに、初期の著作でシュンペーターは「イノベーション」の代わりに「neue Kombination」という言葉を使っています。これは「新しい組み合わせ」を意味するドイツ語です。イノベーションとは、既存の技術を新たに組み合わせたり、ある分野の技術や知識を他分野に移植することによって起こり得るという考えです。

 地球規模の課題を解決する次世代のイノベーターあるいはリーダーとして、皆さんは「新しい組み合わせ」を発見する能力を身に付ける必要があります。特定の分野の専門家であることは重要ですが、それだけでは不十分なのです。新たな組み合わせを生み出すためには、自分の専門外の分野を認識していることも必要ですし、他分野の専門家とコミュニケーションするための用語を知っていることも必要です。自分の殻から歩み出て、他分野との協働の機会を常に探し求めることができるよう、準備しておくことが求められます。

本学には、皆さんがこれらの能力を身に付けるために最高の環境が整えられています。2018年にはそれまで設置されていた3つの研究科(情報科学研究科、バイオサイエンス研究科、物質創成科学研究科)を1つに統合しました。この大胆な組織再編の目的は、学際的な研究を促進することにあります。さらに今年度発表した「学長ビジョン2030」において、本学は「共創」をコンセプトに新たな目標を設定しました。「共創」とは、様々なステークホルダーが協力して、新たな価値を創造するという意味です。多彩な研究を行う教員、そして地域や世界中の共同研究者たちと協力し、学ぶことができる、本学ならではの環境を大いに活用してください。

  最後になりますが、新しく奈良先端大の一員となった皆さんに、本学のモットーをご紹介します。

"Outgrow your limits"

これが本学のモットーです。

"Outgrow your limits"

 皆さんには、自分では気づいていない大きな可能性が眠っていることを忘れないでください。自分で自分の限界を決めつけてはいけません。本学は、皆さんが自身の新たな可能性を発見し、それまで思い込んでいた自分の限界を超えて成長することを可能とする場所なのです。

 皆さんがこれからどのように自分自身を成長させ、何を達成し、どのように他者と協力してより良い世界を作っていくのか、とても楽しみにしています。

Have fun and outgrow your limits!

令和3年10月4日

国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学

学長 塩﨑 一裕

●実際の式辞は英語で行われました。

NEWS & TOPICS一覧に戻る