先端科学技術体験プログラム「タンパク質って何?酵素って?光るタンパク質を見てみよう。」を開催(2009/10/25)

イベント報告 2009/11/02

 10月25日(日)、地元奈良県生駒市との共催による先端科学技術体験プログラム「タンパク質って何?酵素って?光るタンパク質を見てみよう。」を、大学の近隣に所在する生駒市北コミュニティセンターにおいて、開催しました。
 このプログラムは、地域貢献事業の一環として、先端科学技術を実際に体験してもらおうと市内の小学4、5、6年生を対象に平成14年度から毎年実施しているものです。
 今年度3回目の実施となる今回は、生駒市内の4年生以上の小学生16名の参加があり、講師であるバイオサイエンス研究科の岡千緒助教からの説明を受けながら、光る生物の不思議とその仕組みについて実験を通して体験することに挑戦しました。参加者は、まず初めに、光る生物であるウミホタルをルーペで観察した後、乾燥ウミホタルをすりつぶして水をかけ発光する様子を観察しました。また、ホタルの光を科学技術により再現する実験を行い、光らせる酵素である「ルシフェラーゼ」と光る酵素である「ルシフェリン」の2つを反応させ、暗闇に黄色い蛍光色が浮かび上がると、参加した小学生からは、驚きの歓声とその眩い幻想的な美しさに感嘆の声があがりました。
 次に、ホタルの光のもととなる酵素の働きが、温度によって大きく変わることを、氷で冷やしてみたり、温めてみたり、熱してみたりしてその光の変化の様子を観察しながら学びました。
 最後に、2008年にノーベル化学賞を受賞した下村脩先生が、世界で初めて光るクラゲ(オワンクラゲ)から、緑色の光のもと(緑色蛍光タンパク質:GFP)を取り出すことに成功したことの紹介があり、実際に、光る酵母からGFPを取り出す実験に挑戦しました。見事に全員が、GFPを取り出すことに成功し、取り出したGFPにブラックライトを当て、その光る様子に目を輝かせていました。実験終了後、GFPが様々なところで使われていることや、海にいる光る生物たちの様子をビデオで観察しました。
 今回のプログラムでは、子供達にとって実験を通して最先端技術に直接ふれることができ、光る生物の仕組みに対する興味を持つきっかけとなり、科学のおもしろさを実感できる良い機会となりました。

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