[プレスリリース] 情報科学研究科 北野健助教らの研究グループが、早老症の病気のしくみを世界で初めて三次元構造で解明(2010/02/11)

研究成果 2010/02/15

細胞が分裂するためには、二本の遺伝子DNAがねじれ合わさった二重らせん構造がいったんほどかれ、それぞれがコピーされる必要があります。このさいに「DNAをほどく(巻き戻す)」という重要な作用をするのが、ヘリカーゼとよばれる一群のタンパク質酵素です。そのひとつ「ウェルナーヘリカーゼ」は、老化とのかかわりでひときわ大きな注目を集めてきました。その働きの仕組みを、情報科学研究科の北野健助教、金善龍研究員、箱嶋敏雄教授の研究チームが明らかにしました。

北野助教らは、大型放射光施設Spring-8を使った実験により、タンパク質の表面から突き出したナイフのような構造が、DNAの二本鎖をこじ開けて分離させていることを明らかにしました。さらにウェルナーヘリカーゼの異常が、「ウェルナー症候群」という日本人に多い早老症の病気を引き起こす理由を示しました。

今回の発見は、タンパク質が私たちのからだを急激な老化から守っている仕組みのひとつを、三次元構造で分かりやすく示したものです。早老症疾患の治療法を探るうえではもちろん、一般人の老化に伴う病気(特にがん)に対しても、新しい情報を与えるものと期待されます。

■プレスリリースの詳細は以下のページをご覧ください。

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