山中伸弥本学栄誉教授がノーベル生理学・医学賞を受賞 ― 奈良先端大でiPS細胞研究の基礎を築く ―(2012/10/08)

受賞 2012/10/08

ノーベル委員会は、10月8日、生理学及び医学の分野で最も重要な発見を行なった人に贈られる今年度の「ノーベル生理学・医学賞」を、山中伸弥本学栄誉教授(京都大学iPS細胞研究所長)に贈ると発表しました。

山 中教授は、1999年12月に奈良先端大遺伝子教育研究センター動物分子工学部門の助教授として赴任後、2003年に教授に昇任、2004年10月には京 都大学再生医科学研究所に移られますが、その後も2005年3月までは本学遺伝子教育研究センター教授を兼任、2005年4月から2007年3月までは本 学バイオサイエンス研究科客員教授として勤務されました。そして、その本学在籍中に、今回の受賞に至った主な業績である「人工多能性幹細胞(iPS細胞) 作製」に直結する重要な研究成果を次々にあげられました。

本学としても今回の受賞は大変栄誉なことであり、山中栄誉教授の栄えあるご受賞を祝し、謹んでお喜び申し上げますとともに、今後もますますご活躍されますことを心よりお祈りいたします。

本学磯貝学長コメント
本 日、山中伸弥先生がノーベル生理学・医学賞を受賞されることが決定したことは、山中先生がかつて在籍され、受賞対象となったiPS細胞の研究を開始した大 学の学長として大変うれしく、またおめでたいことである。山中先生及び先生とこれまで一緒に研究に取り組んでこられた方々に心からお祝いを申し上げたい。

山 中先生の研究の明解なビジョンは、受精卵を使わないでES細胞と同じ能力を持つ万能細胞を作りたいというものであった。そして見事に、私たちの体の細胞を 若返らせることに成功された。そしてこの成果は、医療の世界に大きく貢献しようとしている。山中先生はいつも、奈良先端科学技術大学院大学は私の研究の原 点であり、本学に来たからこうした仕事が始められたと言っておられる。今回の受賞は、本学が、山中先生のような若い研究者の優れた先端的な研究を育んでき たことも示しており、本学の存在意義を考えたとき、大変意義深いものである。

今回のノーベル賞受賞で、山中先生は、真に日本の科学界の宝となったと思う。先生はまだお若い。ますます周囲の期待が大きくなるだろうと思う。どうか、健康に留意されて、これからもいっそうご活躍されることを祈念している。

2012.10.8 奈良先端科学技術大学院大学長 磯貝 彰

■関連リンク
・学長通信 No.52「山中伸弥本学栄誉教授のノーベル生理学・医学賞受賞をお祝いして」(2012年10月8日)。
http://www.naist.jp/about/a02_04_58_j.html
・山中伸弥教授には、2011年10月1日の本学創立20周年記念講演会にて、「iPS細胞研究の進展」と題してご講演いただきました。その模様を下記でご覧いただけます(本学広報誌「せんたん」vol.20 1月号, 該当ページ:P3-4)。
http://www.naist.jp/pr/pdfs/Vol20Jan.pdf
(PDFファイル33MB)
・ また、2008年6月5日の「NAIST東京フォーラム」(日経産業新聞フォーラム2008)では、「NAISTでの教育研究をふり返って」と題して基調 講演いただきました。その模様を下記でご覧いただけます(本学広報誌「せんたん」vol.17 No.1, 該当ページ:P3-4)。
http://www.naist.jp/pr/pdfs/Vol17No1.pdf
(PDFファイル2.5MB)

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