[プレスリリース]バイオサイエンス研究科の古谷将彦助教、田坂昌生教授らの研究グループが、花や葉を形作る分子メカニズムを解明(2014/1/17)

研究成果 2014/01/17

バイオサイエンス研究科 植物形態ダイナミクス研究室 古谷将彦助教、田坂昌生教授らは、植物が花や葉を作るさいに必要なホルモンであるオーキシンについて、それを植物体内で働く 場所まで届かせるために「オーキシンの流れを生み出す」という基本的な仕組みを明らかにしました。謎と言われた現象を分子遺伝学の手法により解明しまし た。

植物ホルモンであるオーキシンは生合成された部位から機能する場所の方向に流れる形で輸送され、蓄積します。そして、茎の先端に存在 する"芽"においてオーキシンが蓄積することにより、花や葉などの植物の器官が形成されます。このような器官が形成される際のオーキシンの流れ方について は明らかになりつつありますが、その流れを生み出す源の仕組みは謎でした。

古谷助教、田坂教授らは、独自に発見したオーキシンの流れを調 節する遺伝子群が花の形成時期に機能することに着目。これらの遺伝子機能を失い、花を作らなくなった変異体を用いて分子遺伝学的解析を行いました。その結 果、この変異体ではオーキシンの流れが滞っていることを発見。このことから、これらの遺伝子群がオーキシンの流れそのものを生み出す源であることを明らか にしました。さらに、これらの遺伝子群がオーキシンそのものによって誘導されることから、オーキシンの流れを増幅する仕組みが示されました。

今 後、オーキシンの流れを人工的に操作し花や葉の形や配置を自在に変えられる可能性があり、多くの大輪の花をつけるなど園芸植物の改変や農作物、植物バイオ マスの増産が期待されます。研究成果は平成26年1月6日付けで米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)の電子版に掲載されました。

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