情報科学研究科の山口英教授と戸田智基准教授が平成27年度科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞(2015/04/07)

受賞 2015/04/08

情報科学研究科の山口英教授が平成27年度科学技術分野の文部科学大臣表彰「科学技術賞(理解増進部門)」を、また、同研究科の戸田智基准教授が同「若手科学者賞」を受賞しました。

<科学技術賞(理解増進部門)>
青少年をはじめ広く国民の科学技術に関する関心及び理解の増進等に寄与し、又は地域において科学技術に関する知識の普及啓発等に寄与する活動を行った個人又はグループを表彰

山口英
情報科学研究科 山口英教授

[受賞者]情報科学研究科 山口英教授 

[業績名]インターネットセキュリティの普及啓発

日本においてインターネットの商業利用が始まる前よりネットワークセキュリティの研究を手がけ、広域化するインターネットにおけるセキュリティの重要性に着目していた。

本活動では、様々な学術組織での研究プロジェクトの指導の傍ら、各種メディアを通じて専門家以外にもインターネットセキュリティの重要性を分かりやすく紹 介した。また、国内の政府組織や企業に対してセキュリティ実践に関するアドバイスおよび教育を行うのみならず、国際的な枠組みの一部として日本では JPCERT/CCの設立に尽力し、FIRSTなどの世界的なセキュリティ組織においては標準化などを通して全世界的なインターネットセキュリティの向上 に貢献した。

本活動により、インターネットセキュリティという研究分野を確立し、この分野での技術の発展に貢献した。また政府・企業からエンドユーザに至るまで、ネッ トワークセキュリティについて理解を広めた。内閣官房情報セキュリティセンターの設立に関与し、政府内・省庁間でのセキュリティ管理機能を実現した。さら に国内にとどまらず、世界各国でセキュリティの啓発活動とセキュリティ情報共有の枠組みの浸透を行い、全地球的なセキュリティ向上に寄与している。

<若手科学者賞>
萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績を挙げた40歳未満の若手研究者個人を表彰

山口英
情報科学研究科 戸田智基准教授

[受賞者]情報科学研究科 戸田智基准教授

[業績名]音声生成機能拡張のための統計的音声変換技術の研究

音声コミュニケーションは人類の主要な情報伝達手段であるが、障害や高齢化に伴う身体的制約により音声生成機能が失われ、深刻な発声障害を患う事例が数多く見られる。その結果、意図伝達が困難となることから、生活の質が大幅に低下するという社会問題が引き起こされる。

この問題に対して、統計的音声変換処理に着目し、従来技術の制約を取り除く基盤技術を考案し、その性能および適用範囲を大幅に拡大した。さらに、統計的音 声変換処理を音声コミュニケーションへと適用する応用研究分野を開拓し、発声障害者補助に代表される様々な音声生成機能拡張技術を構築した。

本研究成果は、万人に対して容易に適用可能な情報通信技術として、音声生成機能を回復・拡張し、バリアフリーな音声コミュニケーションを実現する礎になると期待される。

表彰式は、4月15日(水)、文部科学省3階講堂(東京都千代田区霞が関3-2-2)にて執り行われます。

■関連リンク

平成27年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者等の決定について

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