経験そのものが将来を切り拓く大きな力に
岩本 明歩Akiho Iwamoto
株式会社桃谷順天館 研究本部 中央研究所 研究員
2024年度博士前期課程修了
バイオサイエンス領域 微生物インタラクション研究室
私は化粧品の製造販売メーカーである株式会社桃谷順天館で、化粧品の研究開発に携わっています。所属グループでは主に、化粧品の肌に対する機能性評価や皮膚科学に関する基礎研究を行っています。化粧品は、お客様の日常の悩みや「美しくなりたい」という願いを叶えるものです。私たちは皮膚の変化をデータで正確に捉え、お客様にとって本当に価値のある製品開発へと繋がる研究に取り組んでいます。企業の研究は大学とは異なりますが、エンドユーザーに寄り添い、自分が携わった製品が店頭に並び、手にとっていただけることに大きなやりがいを感じています。
奈良先端大では渡辺研究室に所属し、植物常在菌の植物表層への適応機構に関する研究を行いました。学部時代は微生物に触れておらず、最初は基礎知識の習得からのスタートでした。当時は研究室の発足直後で先輩もおらず、渡辺先生には色々なことをご指導いただきました。そんな中でも、先行研究の少ないテーマに挑戦したからこそ、自分の力で物事の背景や本質を深く捉える「思考力」が鍛えられたと感じています。また、自分のアイデアに基づき挑戦できる環境があったおかげで、大変な中でも研究の楽しさを感じながら最後までやり切ることができました。
現在の職場でも、入社当初は皮膚科学に関してほとんど触れたことがありませんでした。高い専門性が求められる業務が多い中で、限られた時間の中で限界まで学び、研究をやり切った大学院での2年間の経験が、素早い吸収力として活きています。
奈良先端大での学びは知識や技術だけでなく、壁にぶつかった経験そのものが将来を切り拓く大きな力になっています。自分の興味をとことん突き詰め、考え抜き、やり切った先には、結果以上に大切なものが必ず得られます。みなさんも奈良先端大の恵まれた環境で挑戦を重ね、自分だけの強みを磨いていってください。
マイクロスコープを用いて、肌状態を表す指標である「肌のキメ」を撮影しています。

