大規模データベースを解析し、精神疾患のバイオマーカー発見をめざす 発症時の原因探索にも役立つ独自のデータサイエンスの手法を開発

研究成果 2021/07/07

大規模データベースを解析し、精神疾患のバイオマーカー発見をめざす
発症時の原因探索にも役立つ独自のデータサイエンスの手法を開発

概要

 奈良先端科学技術大学院大学(学長:塩﨑一裕)先端科学技術研究科 情報科学領域 計算システムズ生物学研究室のMd. Altaf-Ul-Amin(アルタフウルアミン)准教授のグループは、大規模で、必要な事項が僅かしか含まれていないスパースデータから、独自に開発した手法で必要な知識を発見することに成功しました。例えば、遺伝子とその機能分類、代謝物とその代謝経路の関係を示すデータベースの中から、特定の病気に関わる重要な遺伝子を抽出し、解釈するような方法で、今回は、精神疾患の中で特に統合失調症と双極性障害に特有のマーカー遺伝子と代謝物マーカーの探索を目標に作用機序の解明を行っています。なおマーカーデータベースについては、独自開発のバイオマーカーのデータベースについても研究室の生物種・代謝物関係データベースであるKNApSAcK Family DBから公開されています。(http://www.knapsackfamily.com/KNApSAcK_Family/

 この研究は、世界的に高く評価され、情報科学分野の最高峰の国際論文誌「Scientific Report」に採録されました。昨今、データサイエンスが注目される中、さまざまな分野への応用が可能であり、複雑な作用機序に基づく疾患を代謝と遺伝子発現という二つの観点から体系的理解するためのツールを提供するとともに、実際に疾患が発症したときの知識発見にも極めて有効な方法と位置付けられます。

 ビッグデータサイエンス、データ駆動型サイエンス、さらにはビッグデータバイオロジーなどの様々な分野のデータにおける関係性をマイニング(探索)することが可能であり、今後さまざまな発見を導く可能性が開けました。

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問い合わせ先

<研究に関すること>  

 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 情報科学領域 計算システムズ生物学研究室
 准教授 Md. Altaf-Ul-Amin
 教授  金谷重彦
 TEL:0743-72-5952
 E-mail:amin-mat[at]is.naist.jp(准教授 Md. Altaf-Ul-Amin)
     skanayagtc[at]gtc.naist.jp(教授 金谷重彦)

報道に関すること

 奈良先端科学技術大学院大学 企画総務課 渉外企画係
 TEL:0743-72-5063  FAX:0743-72-5011 
 E-mail:s-kikaku[at]ad.naist.jp

 ※上記の[at]は@に置き換えてください。

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