仮想エージェントにより 苦手なソーシャルスキルを練習するためのシステムを開発 ~医療機関での実証試験を開始~

研究成果 2022/10/17

仮想エージェントにより 苦手なソーシャルスキルを練習するためのシステムを開発
~医療機関での実証試験を開始~

概要

 奈良先端科学技術大学院大学(以下、奈良先端大、学長:塩﨑 一裕) 先端科学技術研究科 情報科学領域 知能コミュニケーション研究室の中村 哲教授、田中 宏季助教らの研究グループは、奈良県立医科大学(学長:細井 裕司)精神医学講座(教室長:牧之段 学)の岡﨑 康輔助教らと共同で、コンピュータ画面に登場する人型の仮想エージェントによりソーシャルスキルを練習するためのシステムを開発しました。奈良県立医科大学にて、人間のトレーナが行うソーシャルスキルトレーニング(SST)のデータを収集し、それに基づいたシステムを構築しました。現在、奈良県立医科大学のグループワークやリワークプログラムにて本システムを導入するための実証試験を開始しました。

 中村教授らは、自閉スペクトラム症者、統合失調症者、定型発達者を対象としたデジタルセラピューティクス(DTx:疾患に対する治療介入を提供する治療用アプリなどの総称)の構築を目指しています。医学的に根拠のある方法でシステムを開発している研究グループは国内外で少なく、医工連携データに基づいてシステムを構築したことに独自性を有しています。中村教授らが開発したシステムは、人間のトレーナが行うSSTを仮想エージェントで実現します。SSTシステムは、PC上で動作し、人間のトレーナのデータに基づいたロールプレイとフィードバックを行います。中村教授らは、奈良県立医科大学におけるグループデイケア、リワークプログラムにおいて、SSTシステムの実証試験を開始しました。SSTシステムが、医療リハビリテーション、デイケアの一部に組み込まれて行けば、さらに普及が進み、オンラインによる自宅での練習と合わせてソーシャルスキル向上の相乗効果が期待できます。

 本研究成果は、2022年10月24日に開催されるTAPASシンポジウムにて発表される予定です。

 シンポジウムWebページ:https://ahcweb01.naist.jp/tapas-symposium-2022/

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問い合わせ先

研究に関すること

  • 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 情報科学領域 知能コミュニケーション研究室
    教授 中村 哲
    TEL:0743-72-5260 携帯:080-4464-0071 FAX:0743-72-5269
    E-Mail:s-nakamura[atis.naist.jp

  • 奈良県立医科大学 精神医学講座
    助教 岡﨑 康輔
    TEL:0744-22-3051(代表)
    E-Mail:psy-nara-ok[atnaramed-u.ac.jp

報道に関すること

  • 奈良先端科学技術大学院大学 企画総務課 渉外企画係
    TEL:0743-72-5026/5063 FAX:0743-72-5011 E-mail:s-kikaku[at]ad.naist.jp
  • 奈良県立医科大学 研究推進課 産学連携推進係
    TEL:0744-22-3051(代表) FAX:0744-29-8021
    E-Mail:sangaku[atnaramed-u.ac.jp

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