平成28年度のオープンキャンパス(高山サイエンスタウンフェスティバル)は終了しました。たくさんのご参加、ありがとうございました。
以下は平成28年度のプログラムです。
Welcome to 2016 Open Campus
物質創成科学研究科・物質科学教育研究センター
「未来を拓く光ナノサイエンス」
(体験型デモ、パネル展示による研究紹介、クリーンルーム公開・無塵服試着体験)
新しい材料やデバイスの開発は、私たちの生活の質を高めることにつながります。この豊かな生活を支えているのが、物質科学の発展です。物質創成科学研究科では、光に関係する研究を中心にして、物質の構造・性質・機能の関係を明らかにすることにより物質科学に貢献しています。その研究成果は、新理論の構築、新現象の発見、新機能材料の創成、省エネルギーデバイス、新技術の提供、革新的な装置の発明など多くの実を結んでいます。今年のオープンキャンパスでは、光とナノサイエンス・ナノテクノロジーの話題を中心に、世界を先導する最先端のナノテクノロジー・ナノサイエンスに関する研究内容をわかりやすく紹介いたします。
題名 | 研究室名 |
---|---|
1.量子効果を利用した新しい光機能性材料 | 量子物性科学研究室 |
2.原子の配列と電子の動き | 凝縮系物性学研究室 |
3.先端高分子科学 | 高分子創成科学研究室 |
4.先端技術の主役を担う光機能素子 | 光機能素子科学研究室 |
5.次世代情報化社会を支える情報機能素子の研究 | 情報機能素子科学研究室 |
6.精密合成技術の最前線 | 反応制御科学研究室 |
7.分子マシンによるナノ医療 | バイオミメティック科学研究室 |
8.超分子科学で拓く生体機能制御とナノサイエンス | 超分子集合体科学研究室 |
9.人工コラーゲン・精密高分子が拓く新機能医療材料 | 生体適合性物質科学研究室 |
10.クロミズム-光や電気で色が変わる分子 | 光情報分子科学研究室 |
11.光と熱で産み出す太陽電池-新規有機半導体の開拓 | 有機光分子科学研究室 |
12.蛍光体を用いた放射線計測 | センシングデバイス研究室 |
13.有機エレクトロニクスとエナジー・ハーベスティング | 有機固体素子科学研究室 |
14.先端レーザー、顕微鏡、バイオチップでかなでる新奇細胞操作 | 生体プロセス工学研究室 |
15.放射光でナノ磁性体を診る | ナノ構造磁気科学研究室 |
16.蛋白質分子集団の科学と分子複合材料への応用 | 分子複合系科学研究室 |
17.原子配列のホログラフィー | グリーンナノシステム研究室 |
18.分子技術と高分子間相互作用による高分子材料 | ナノ高分子材料研究室 |
19.メゾスコピック領域における新奇機能物性の探求 | メゾスコピック物質科学研究室 |
20.白色LEDの仕組み | 知能物質科学研究室 |
21.低分子医薬品の探索と薬物送達システムの開発 | 機能高分子科学研究室 |
22.地球温暖化問題解決のためのナノ構造制御材料 | 環境適応物質学研究室 |
23.マイクロ化学分析システム(μTAS)・分子イメージング | 感覚機能素子科学研究室 |
24.新しい電子機器・エネルギー機器を実現する新材料の開発 | 先進機能材料研究室 |
1.量子効果を利用した新しい光機能性材料

量子物性科学研究室
ナノメートルサイズの物質の性質を光を用いて解析し、有機レーザー、量子波束の干渉制御、ナノ粒子蛍光体、メタ物質などを用いた新しい光機能材料の創成を目指して研究しています。最近の研究成果についてポスターで紹介を行います。
2.原子の配列と電子の動き

凝縮系物性学研究室
当研究室で開発された立体原子顕微鏡など様々な最先端の実験手法で得られた原子配列の様子、電子構造の様子を紹介します。ダイヤモンドと炭のように同じ原子でも配列によって異なる性質を持つことを結晶模型で遊んで体感しましょう。
3.先端高分子科学

高分子創成科学研究室
宇宙の起源、物質の起源、生命の起源に学び、自然と共生する次世代の光機能高分子の設計・合成・物性・機能評価を行っています。当日は、らせんの発生・増幅・反転・転写に関する研究成果の一端を紹介します。
4.先端技術の主役を担う光機能素子

光機能素子科学研究室
太古から人間は光を媒体として「目」を通して外界からの情報を得て進化してきました。「光」を発生・検出する光機能素子は豊かな人間生活をもたらす先端技術の主役です。本研究室では、人工視覚デバイスやバイオメディカルフォトニックデバイスなどの新しい光機能素子の研究開発を進めています。
5.次世代情報化社会を支える情報機能素子の研究

情報機能素子科学研究室
本研究室では、ディスプレイ、LSI、メモリなど次世代の情報化社会を支える情報機能素子の研究を行っています。生体超分子を用いた新しい半導体や透明半導体を用いたデバイス、フレキシブル半導体デバイスなど高性能・多機能デバイスの実現を目指しています。
6.精密合成技術の最前線

反応制御科学研究室
私たちは原子、分子レベルで物質を組み立てる有機合成の技術を用いて、生活に役立つ様々な化合物を造りだしてきました。しかし社会が成長し、複雑化する中で、化学、医学、生物、情報など様々な分野で、より精密な合成手法の開発が求められています。私たちの研究室はそのようなニーズに応えるべく、高度に制御された新しい合成法を開発するとともに、最先端合成技術を駆使して新機能性分子・物質の合成に取り組んでいます。
7.分子マシンによるナノ医療

バイオミメティック科学研究室
当研究室では、生体系に学び、生体系を超える材料・システムの創成を目指し、有機合成による分子マシンの開発を行っています。バイオミメティック分子の精密な設計と組織化によって、神経細胞への遺伝子導入、がん治療のためのドラッグデリバリー、抗菌作用発現といったナノ医療に貢献できる新たな機能の開拓を目指しています。
8.超分子科学で拓く生体機能制御とナノサイエンス

超分子集合体科学研究室
私達は、分子レベルでの化学的知識に基づき、次世代生体超分子の創成、非天然機能を有する人工タンパク質の創成、フォールディング病(アルツハイマー病、パーキンソン病、狂牛病など)の原因であるタンパク質構造変性メカニズムの解明を目指して、タンパク質科学、有機・錯体化学、分光分析の手法を用いて研究を行っています。当日は、色素タンパク質を用いて、機能と色の関係を紹介するデモ実験を行います。
9.人工コラーゲン・精密高分子が拓く新機能医療材料

生体適合性物質科学研究室
当研究室では、三重らせん構造を再現した人工コラーゲン分子を用いた再生医療材料の設計と創成を行っています。また、分子量や構造が精密に制御され、外部刺激に応答して構造が変化する高分子を用いた抗血栓性材料や人工遺伝子キャリアの開発、並びにX線およびX線増感剤を用いる新しいがんの治療法の開発を行っています。
10.クロミズム-光や電気で色が変わる分子

光情報分子科学研究室
クロミズムとは物質の色が変わる現象で、電気で色が変わる場合はエレクトロミズム、光で色が変わる場合はフォトクロミズムと呼ばれます。自動車部品やIT技術への応用が期待されている分子のクロミズムについて解説します。その他、美しい強発光を示すナノ粒子などについても紹介します。
11.光と熱で産み出す太陽電池-新規有機半導体の開拓

有機光分子科学研究室
当研究室では有機薄膜太陽電池等に用いる有機半導体材料の分子設計・合成からデバイス作製・評価まで最新の有機反応や計算科学を駆使して行っています。当日は光や熱で構造が変化する前駆体を用いた有機半導体材料の合成や、有機デバイスへの応用について紹介します。
12.蛍光体を用いた放射線計測

センシングデバイス研究室
放射線は光の一種であり、身近な可視光等と比較して1フォトン当りの持つエネルギーは非常に強く、およそ10(3乗)~10(6乗)倍以上あります。このような高エネルギー放射線が蛍光体に当ることで蛍光体から光が生じ、それを光検出器を用いて間接的に放射線を計測することができます。本研究室では、蛍光体の作製、放射性物質や発生装置を用いた評価および装置開発を行っています。
13.有機エレクトロニクスとエナジー・ハーベスティング

有機固体素子科学研究室
フレキシブルエレクトロニクスや環境発電のための基礎と応用研究をしています。有機半導体薄膜の物性に着目して、独自開発した装置での実験や新理論の構築、化学計算など、多角的な研究を行っています。最近の研究結果の紹介と太陽電池と化学計算のデモを行います。
14.先端レーザー、顕微鏡、バイオチップでかなでる新奇細胞操作

生体プロセス工学研究室
超短パルスレーザーにより微小領域にもたらされる力学作用をナノスケールで高度に制御する光学技術・マイクロ流体技術を駆使し、細胞や蛋白質の相互作用を力学と生理学の両側面から明らかにし、さらにその工学応用を目指しています。
15.放射光でナノ磁性体を診る

ナノ構造磁気科学研究室
ナノスケールの構造を持った磁性体(ナノ磁性体)がスピンエレクトロニクス材料として注目されています。ナノ磁性体の研究には、新たな磁気測定手法の開発が不可欠です。放射光を用いて元素ごとにナノ磁性体を診ると何が分かるかを紹介します。
16.蛋白質分子集団の科学と分子複合材料への応用

分子複合系科学研究室
多様な分子によって構成される分子集団では、個々の分子では成し得ない高度な機能を実現することができる。当研究室では、特に生命機能の中核を担う蛋白質分子集団が示す自律的集合離散の解析を通じ、創薬のターゲットとなり得る蛋白質分子複合系の理解と新規蛋白質分子複合材料の開発を目指しています。
17.原子配列のホログラフィー

グリーンナノシステム研究室
結晶表面にX線を照射し、飛び出してくる電子が織り成す美しい干渉模様を解析すると原子の配列を可視化することができます。私たちはこの「光電子回折」を測る装置を開発し、原子レベルで物質表面の性質を探っています。
18.分子技術と高分子間相互作用による高分子材料

ナノ高分子材料研究室
生体適合性または生分解性を示す高分子材料の機能化を目指し、モノマーレベルで設計し合成を行っています。また、ナノ構造を制御することにより、さらなる機能化を図っています。最近の研究成果についてポスターで紹介を行います。
19.バイオとナノの融合世界へ向けて

メゾスコピック物質科学研究室
当研究室では、メゾスコピック領域における新しい物理現象、特に薄膜の形態にすることで発現する新奇物性の開拓とそのデバイス化に関する研究を行っています。最近の研究成果についてポスターで紹介します。
20.白色LEDの仕組み

知能物質科学研究室
最近、注目を浴びているLED電球の仕組みについて紹介を行います。青色発光素子から白色LEDへの色変換についての展示を行います。
21.低分子医薬品の探索と薬物送達システムの開発

機能高分子科学研究室
当研究室ではユニークな構造を持つ有機化合物を合成しており、それらを用いて目の病気の薬の探索を行っています。また、その治療に対する薬物送達システムの開発にも着手しています。今回のオープンキャンパスではこれまでの研究内容について紹介します。
22.地球温暖化問題解決のためのナノ構造制御材料

環境適応物質学研究室
当研究室ではCO2の大気中への排出削減技術やH2利用技術に関わる材料開発を実施しています。当日は細孔内に金属を充填した水素分離膜、メソ多孔体を利用した吸着剤および分離膜に関する最近の研究事例を紹介します。
23.マイクロ化学分析システム(μTAS)・分子イメージング

感覚機能素子科学研究室
マイクロ化学分析システム(μTAS: Micro Total Analysis System)技術を応用した遺伝子診断向けデバイス、次世代医療に用いられる分子イメージング、画像診断用に関する研究開発について紹介します。(パネル、実サンプルの展示)
24.新しい電子機器・エネルギー機器を実現する新材料の開発

先進機能材料研究室
当研究室では、ナノメートルレベルでの構造制御を行うことにより、エレクトロニクスやエネルギー機器の鍵となる新材料、地球環境にやさしい材料を開発しています。当日は、最近の成果をパネルと応用製品のサンプルで紹介します。