講座日程等

2017年10月7日(土)

13:45~15:00

「花の命はどうして、はかないのか?」

バイオサイエンス研究科 花発生分子遺伝学研究室
教授 伊藤 寿朗(いとう としろう)

日本人の主食である米、パンや麺の原料となる穀物類、そして果物は、すべて植物がつける花の産物です。また、私たちは古くから四季折々の花を楽しみ、移ろいゆく花の美しさ、はかなさを慈しんできました。本講義では、「花のはかなさ」のよりどころを、植物の成長戦略の観点から、細胞や分子のレベルでお話しします。
15:15~16:30

「植物が産生する"薬効成分"の多様性について」

バイオサイエンス研究科 植物二次代謝研究室
准教授 峠 隆之(とうげ たかゆき)

人類は古代から経験的に様々な植物を薬として用いてきました。現代の技術革新により有効成分のわずかな化学構造の違いが薬効に大きな差を生むことが分かってきています。では、植物はどの様なメカニズムで多種多様な成分を産生しているのでしょうか。植物の多様な物質を生み出す力について最先端の研究を交えながらご紹介します。

2017年10月14日(土)

13:45~15:00

「IgA抗体で腸内環境を整える」

バイオサイエンス研究科 応用免疫学研究室
教授 新藏 礼子(しんくら れいこ)

最近おなかの中に住んでいる腸内細菌と健康の話題をよく耳にされることと思います。私たちは健康を害する腸内細菌を見極めることのできるIgA抗体を見つけました。研究のお話だけでなく、おなかの中の状態が健康にどれだけ重要かをお話しします。

15:15~16:30

「個性化する細胞と器官構築」

バイオサイエンス研究科 発生医科学研究室
准教授 笹井 紀明(ささい のりあき)

私たちヒトをはじめ、動物の体はどのように形作られて行くのでしょうか。それを知ることは、器官の形成不全や先天性障害、腫瘍形成などの疾患の成り立ちのしくみを知ることにもつながります。本講義では、私たちの研究成果や知見などを、最新の実験技術ととともにお話しします。

2017年10月21日(土)

13:45~15:00

「幹細胞の分化と組織再生」

バイオサイエンス研究科 幹細胞工学研究室
教授 栗崎 晃(くりさき あきら)

近年、ES細胞やiPS細胞など、体中の様々な細胞に分化する幹細胞を用いて、再生医療用の細胞を作製したり、病気のモデル組織をシャーレの中で作り出し、病気の原因を探索する研究が進められています。本講義では、マウスES細胞から作った胃のミニ組織で、胃がん発症のしくみをシャーレの中から調べる新しい研究を紹介します。
15:15~16:30

「吐いた息を使ってコンピュータに病気を診断させてみる」

バイオサイエンス研究科 計算生物学研究室
准教授 作村 諭一(さくむら ゆういち)

私達は普段、目で見ている物体までの距離や位置関係を無意識に把握しながら行動しています。本講演では、カメラによって撮影される画像・映像を使ってこのような三次元シーンの認識をコンピュータ上で実現する手法・原理について紹介するとともに、これにより実現される様々な応用・最新研究について解説します。

2017年10月28日(土)

13:45~15:00

「医療の発展に繋がる最新の動物モデル」

バイオサイエンス研究科 器官発生工学研究室
准教授 磯谷 綾子(いそたに あやこ)

実験動物モデルであるマウスやラットは、非常に多くの研究に用いられています。特に、その自然変異体や遺伝子改変個体を用いた研究は、ヒト疾患の原因解明や治療法の開発に役立てられてきました。本講義では、このような医療の発展に繋がる動物モデルについて、最新の事例を含めて紹介します。 
15:15~16:30

「寄生して生きる植物たち」

バイオサイエンス研究科 植物共生学研究室
特任准教授 吉田 聡子(よしだ さとこ)

寄生植物とは、他の植物に寄生して栄養分や水分を奪って暮らす植物です。一部の寄生植物は農作物に寄生して、作物にダメージを与えるため、世界中で農業上の大きな問題になっています。一方で、薬になる成分を作る貴重な寄生植物もいます。寄生植物がどうやって他の植物を見つけて、寄生できるようになったのか、その生存戦略を紹介します。