〔プレスリリース〕物質創成科学研究科の河合 壯教授、野々口斐之助教らは、世界最高水準の発電性能と耐久性を有するフレキシブルな熱電発電(温度差発電)シートを開発(2016/03/22)

研究成果 2016/03/31

 物質創成科学研究科の河合 壯教授、野々口斐之助教らは、世界最高水準の発電性能と耐久性を有するフレキシブルな熱電発電(温度差発電)シートを開発しました。特に高耐久化の問題を改善するため、材料のカーボンナノチューブに食塩などを添加することにより、出力特性が従来の約3倍に向上したうえ、150度の温度で1ヶ月以上の性能保持を実現しました。

 この技術を使い試作した熱電発電デバイス(装置)は柔軟で、熱源に貼るだけで発電できることから、工業プラントや自動車の配管で生じる熱、複雑な形状をもつラップトップコンピューター等の排熱を利用した電力供給のほか、体温によるヘルスケア機器の駆動など、省エネや地球温暖化の抑制に貢献する応用が期待されます。また、有機材料の場合にしばしば課題となる高耐久化を実現したことから、熱電発電炭素材料の実用化への取り組みが加速することが期待されます。

 この成果は、Wiley出版(ドイツ)の国際科学誌「Advanced Functional Materials」(アドバンスト・ファンクショナル・マテリアルズ)のオンライン速報版で公開されます。

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