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研究者紹介 vol.9 バイオサイエンス研究科 神経システム生物学研究室(稲垣研)  鳥山 道則 助教

2007年 奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科博士課程 修了。同 博士研究員、2013年 テキサス大学オースティン校リサーチフェロー、2015年より現職。専門は細胞生物学、神経科学。研究テーマは神経回路網形成を制御する分子機構の理解。

なぜ研究者になったのか

高校生の頃から歴史が好きで、反対に生物などの理系科目はあまり好きではなく、大学は文学部か政治経済系の学部に進もうと考えていました。ところが、高校3年生のとき、クローン羊が脚光を浴び、関係する書籍を読むとおもしろかったので、このとき生命科学系の研究者になろうと思いました。理系の大学に入学し、修士博士課程で本学の伊東研に所属しました。そのまま学位を取得し、ポスドクとして5年間勤務の後、アメリカ留学を経て本学に着任しました。

研究と子育ての両立 平日・週末の過ごし方

平日は、朝、子どもたちにご飯を食べさせたら、妻が先に出勤します。私は子どもたちを8時半くらいに保育園に送ってから、大学に出勤します。そして、18時半に職場を出て子どもたちを迎えに行きます。稲垣研の教員・学生のなかで私が一番早く帰っていますが、学生と話すときもできるだけ早い時間にセッティングするなどしているので、とくに問題はないです。このあたりは稲垣教授の理解もあり非常に助かります。家に帰ったら、本格的に料理をつくることもありますが、とりあえず軽くなにか食べて、子どもたちと遊びます。そうすると、20時か20時半くらいに妻が帰ってくるので、家族全員が揃ってからご飯をつくって食べます。ご飯のあとはお風呂に入れ、子どもたちが21時半、22時前くらいに寝ます。子どもたちが寝たら、平日の週3日は大学に戻ってきて、残っている仕事をしています。実験が途中であったり、どうにも忙しいときは、子どもたちを保育園に迎えに行き、妻が帰ってきたらすぐ、ご飯を食べずに大学に戻るときもあります。あわただしい日々ですが、もう慣れましたね。

ただ、2015年10月に着任した当初は、定員の関係で子どもたちが同じ保育園に通えなくて、その間はすごくしんどかったです。上の子を南生駒にある保育園に預けたあと、下の子を大学近くの保育園に送らなくてはいけなくて、たいへんでした。渋滞に巻き込まれたときなど、朝7時に家を出たのに大学に着くのが8時半過ぎで・・・ 翌年の4月には同じ保育園に入れてよかったですが。ニュースなどで待機児童が報じられていたときは、人ごとでした。まさか自分の身に起きるとは、と思いました。
週末は、毎週土曜日9時半からラボセミナーがあるので、子どもたちのことは妻に任せ、セミナーに出た後夕方まで仕事をしています。日曜日は、だいたい家族全員で食料品などの買い物に行ったり、子どもたちと公園に行ったりしています。時間があるときは遊園地などに出かけることもあります。

本学に求められる研究者支援

本学の研究活動がもっと活発になるように研究環境を整えるとしたら、保育所と学童の設置がよいのではないかと思います。子どもを持つ研究者がこれから増えてくると思いますが、かれらの子どもたちが保育園に入れなかったら困ると思います。大学構内は安全ですし、遊ぶところもありそうですから、設置できるとよいのではないでしょうか。多少はお金がかかっても、預ける人はいると思います。
私の場合、現在の生活スタイルはとくに問題がないのですが、子どもが小学生になると、今のようにいかなくなるのではないかと予測しています。上の子が小学校1年生になり、学校が14時過ぎに終わったとして、ひとりで帰宅して家で過ごすのは難しい。私が学校まで迎えに行ってご飯を食べさせてから学童に送るのか?などと、今から考えています。

これからの研究活動

研究は、仮説を立て、実験を通じて証明をし、それが仮説のとおりであれば自分の手による新たな発見になります。もちろんうまくいかないこともあるのですが、試行錯誤を重ねてうまくいくこともあり、その瞬間はとてもエキサイティングです。私は医療に興味があって今の専門分野に進んでいるのですが、これからも疾患の発症原理を解明し、将来的には医療や健康の増進に貢献できる研究を続けていけたらと考えています。

(平成29年6月)

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