全収録講義を高精細映像で視聴可能― サーバルームに映像を集約し自動収録・モバイル端末にも対応―

2012/04/05

【要旨】
奈良先端科学技術大学院大学(奈良先端大、学長:磯貝彰)は、附属図書館(館長:松本裕治)が運用する全国最大規模の電子図書館システム の機能を強化しました。従来の授業アーカイブシステム に自動収録機能を追加し全ての収録講義を高精細映像で視聴可能としました。また、モバイル端末を使っていつでもどこでも講義の様子をキーワード検索で探し 出し視聴できるなど若者世代のニーズにあったサービスとなっています。

この国内初のシステムは、講師が板書や教材を使いながらプロジェク ターで資料を投影して講義する場合、講師とプロジェクターの映像をそれぞれ別に自動的に収録しておきます。これをウェブ公開するときは、両者が同期されて 分かりやすい形で再生される仕組み。7講義室で行われる講義の講師とプロジェクターの映像が光ファイバを経由してサーバルームに集約され自動収録が可能と なっています。モバイル端末向けには画面の大きさから講師の映像だけのコンテンツが用意されています。

高精細映像での収録については 2011年度が全収録講義(全収録講義数:914)の約13%でしたが、今年度から自動収録機能により全ての収録対象講義を高精細映像で収録することにな り、講師が板書している文字やレーザポイントの軌跡などが講義そのままに再現できます。さらに、プロジェクターに投影している映像から文字情報を抽出する ことができるので、目次の自動作成や講義内容に関するURL表示を行って、視聴者の講義習得をサポートします。それだけでなく、抽出した文字情報をキー ワードにして、視聴者が目的の講義を見つけるための検索もできます。

4月の新学期からは、このシステムを使い授業のアーカイブ化を進めるとともに、毎年秋に行っている公開講座や著作権等で問題のない講義について、図書館のWebサイトを通じて積極的に配信します(学外者は一部のコンテンツを視聴可能)。

【 今回の附属図書館システムの特徴 】
ビデオアーカイブシステム(平成24年度よりの新サービス・システム機能強化)
1. 新サービス
① 高精細映像の板書を含めた講師映像およびプロジェクターに投影した講義資料の自動収録をおこない、収録した全授業を高精細映像で視聴できるようにしています。
② iOSやAndorid搭載のモバイル端末による視聴ができます。(講師映像のみ)
③ 講義内容習得をサポートするために、授業内容に関するURL表示をしています。

2. システム機能強化
① 全ての講義映像を光ファイバを用いて図書館サーバルームに集約し、スケジュールに従った自動収録をおこなっています。
② プロジェクターに投影された講義資料の映像から、文字情報・切り替わりタイミングを抽出し、講師がアップロードする資料にかかわらず、従来の授業アーカイブシステムと同等の検索・目次作成・映像の頭出し機能を提供しています。
③ 編集が必要な場合、コンテンツを手元のPCから担当職員がWebブラウザを用いて編集できます。

システム導入の本学担当者は以下のとおり
・総合情報基盤センター 教授   藤川和利
・    〃      准教授  猪俣敦夫
・    〃      助教   油谷曉
・    〃      助教   寺田直美
・    〃      助教   櫨山寛章
・    〃      助手   辻井高浩
・      〃      技術職員 衣川俊二
・      〃      事務職員 前川敦子
・      〃      事務職員 横山美和子
・      〃      事務職員 近藤喜和
・      〃      事務職員 溝口敦

なお、本システムの 導入にあたっては、以下の組織と連携・協力をいただいています。
株式会社リコー
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
日本オラクル株式会社
ブルーコートシステムズ合同会社
デジタルリサーチ株式会社

【 本学の電子図書館について 】
本 学附属図書館(電子図書館)は、全国大学図書館のパイロットシステムとして当時の文部省から支援を受け、我が国最初の実用型電子図書館として、平成8年4 月にサービスを開始しました。現在、電子図書館へのアクセスは1日平均約14,000件で、その約75パーセントは学外からのアクセスとなっています。

こ れまでに図書や雑誌、学内論文から電子化を行ったものは、約27,000冊、324万ページにのぼり、映像資料も、講演ビデオと平成17年度から開始した 授業アーカイブを合わせて、既に4,800件(時間にして約4,900時間)を数えています。これら電子コンテンツは学内所蔵検索システムで検索、表示・ 視聴することができ、大学の電子図書館システムとしては国内最大規模を誇っています。これだけの大規模システムを支えているのは、最大40ギガビットによ る多重化を行った基幹ネットワークを用意し、高速かつ障害に強いネットワーク統合情報処理環境「曼陀羅」です。国内外の学術研究ネットワークとの高速な接 続の実現で、広域ネットワークにおけるさまざまなサービスが利用可能となっています。本学の電子図書館システムは、この「曼陀羅」を基盤として、図書館に 来館せずとも、冊子からの電子化資料、講演ビデオや授業アーカイブなどの映像資料が24時間閲覧・視聴できるデジタルアーカイブ環境をつくり上げていま す。

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